家族という煩悩の只中において摂取不捨の利益を
- 2021年04月29日(木)12:00
第2回 親鸞フォーラムin大阪 開催に向け、各氏より『南御堂』誌にいただきました「仏教×家族」についてのコメントです。
門脇 健氏(哲学者・僧侶)
1954年福井県生まれ。京都大学文学部・同大学院文学研究科で宗教哲学を学ぶ。
主な研究分野はヘーゲルの宗教哲学。大谷大学名誉教授。
越前市の真宗大谷派善久寺で住職をつとめつつ、大谷大学文学部哲学科で教鞭をとる。
著書に 『哲学入門 死ぬのは僕らだ!』(角川SSC新書)
家族という煩悩の只中において摂取不捨の利益を
親鸞聖人はご自分の父母については何も語っておられませんが、和讃に「釈迦弥陀は慈悲の父母」とうたって、父母の慈悲をお釈迦さま・阿弥陀さまの慈悲と並べておられます。
しかし、一方で父親として聖人は、ご自分の息子を義絶せねばなりませんでした。聖人85歳の頃です。
このような苦悩の尽きない晩年に、どなたからかは分かりませんが「弥陀の本願信ずべし」と夢の中で告げられました。そして、この家族という煩悩の只中において「摂取不捨の利益」をいただいたのでした。
親鸞聖人の教えが今を生きる私たちに伝わるのは、聖人がこのような煩悩を最後まで生きられたからなのかもしれません。
『南御堂』第705号 2021年(令和3) 4月1日発行 5面より
詳細、参加のお申し込みは第2回 親鸞フォーラム in OSAKA 特設ページへ。
緊急事態宣言(大阪モデル赤信号)の発出等、新型コロナウイルス感染症拡大状況によっては開催形態の変更、または中止の場合があります。
#親鸞フォーラム