大阪教務所長 兼 難波別院輪番 交代のご挨拶②

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ご門徒とともに聖人のみ教えを

このたび、大阪教務所長ならびに難波別院輪番を拝命いたしました。歴史と伝統のあるこの難波の地で、みなさまとご一緒できることは、誠にありがたい仏縁といただいております。

大阪の地にまいり、南御堂にお参りさせていただきました時、そういえば私のおじいさんが自坊の報恩講で蓮如上人の「大坂建立」の『御文』を涙を流しながらいただいていたという話を思い出されてまいりました。

そして同時に、教えというのはどう伝わるのか、ご法話を聞いて伝わることもあれば、普段の親しい方との会話の中で伝わってくることもあるでしょうし、また厳しい人生経験の中で伝わってくることもありますが、お勤め(勤行拝読)の姿の中から伝わることもあることを、南御堂のご本尊阿弥陀如来様が教えてくれたようでした。今さらながらでありますが、おじいさんの涙の「大坂建立」の『御文』をあらためていただきなおして、歩みださないといけないと知らされたことであります。

大阪教区の各御寺院と、各別院、そしてそれぞれにそこにご縁をいただかれている多くのご門徒のみなさまとともに、親鸞聖人の念仏の教えをいただいてまいりたいと思います。

大阪の中心御堂筋から、そびえるホテルの大門をくぐり、そこにゆったりと座する南御堂の本堂にお参りに来られる方々の多さに心を揺さぶられながら、このたびの任の重さを痛感いたしております。

まったくもっていたらぬ私でありますので、ご指導ご鞭撻なにとぞよろしくお願いいたします。

禿信敬大阪教務所長・難波別院輪番 禿かむろ 信敬しんきょう

 

 

 


『南御堂』第709号 2021年(令和3)8月1日発行 2面より 「着任挨拶」