142天親菩薩、論を造りて説かく、無碍光如来に帰命したてまつる。
 修多羅に依って真実を顕して、横超の大誓願を光闡す。
 広く本願力の回向に由って、群生を度せんがために、一心を彰す。
 功徳大宝海に帰入すれば、必ず大会衆の数に入ることを獲。
 蓮華蔵世界に至ることを得れば、すなわち真如法性の身を証せしむと。
 煩悩の林に遊びて神通を現じ、生死の園に入りて応化を示す、といえり。
 143本師、曇鸞は、梁の天子常に鸞のところに向こうて菩薩と礼したてまつる。
 三蔵流支、浄教を授けしかば、仙経を焚焼して楽邦に帰したまいき。
 天親菩薩の『論』、註解して、報土の因果、誓願に顕す。
 往・還の回向は他力に由る。正定の因はただ信心なり。
 惑染の凡夫、信心発すれば、生死即涅槃なりと証知せしむ。
 必ず無量光明土に至れば、諸有の衆生、みなあまねく化すといえり。
 144道綽、聖道の証しがたきことを決して、ただ浄土の通入すべきことを明かす。
 万善の自力、勤修を貶す。円満の徳号、専称を勧む。
 三不三信の誨、慇懃にして、像末法滅、同じく悲引す。
 一生悪を造れども、弘誓に値いぬれば、安養界に至りて妙果

天親菩薩造論説 帰命無碍光如来
依修多羅顕真実 光闡横超大誓願
広由本願力回向 為度群生彰一心
帰入功徳大宝海 必獲入大会衆数
得至蓮華蔵世界 即証真如法性身
遊煩悩林現神通 入生死園示応化
本師曇鸞梁天子 常向鸞処菩薩礼
三蔵流支授浄教 焚焼仙経帰楽邦
天親菩薩論註解 報土因果顕誓願
往還回向由他力 正定之因唯信心
惑染凡夫信心発 証知生死即涅槃
必至無量光明土 諸有衆生皆普化
道綽決聖道難証 唯明浄土可通入
万善自力貶勤修 円満徳号勧専称
三不三信誨慇懃 像末法滅同悲引
一生造悪値弘誓 至安養界証妙果