3
本師龍樹菩薩は
 大乗無上の法をとき
 歓喜地を証してぞ
 ひとえに念仏すすめける
4
龍樹大士世にいでて
 難行易行のみちおしえ
 流転輪回のわれらをば
 弘誓のふねにのせたまう
5
本師龍樹菩薩の
 おしえをつたえきかんひと
 本願こころにかけしめて
 つねに弥陀を称すべし
6
不退のくらいすみやかに
 えんとおもわんひとはみな
 恭敬の心に執持して
 弥陀の名号称すべし
7
生死の苦海ほとりなし
 ひさしくしずめるわれらをば
 弥陀弘誓のふねのみぞ
 のせてかならずわたしける
8
智度論にのたまわく
 如来は無上法皇なり
 菩薩は法臣としたまいて
 尊重すべきは世尊なり
9
一切菩薩ののたまわく
 われら因地にありしとき
 無量劫をへめぐりて
 万善諸行を修せしかど
10
恩愛はなはだたちがたく
 生死はなはだつきがたし
 念仏三昧行じてぞ
 罪障を滅し度脱せし

   已上龍樹菩薩

天親菩薩   付釈文 十首
1
釈迦の教法おおけれど
 天親菩薩はねんごろに
 煩悩成就のわれらには
 弥陀の弘誓をすすめしむ
2
安養浄土の荘厳は
 唯仏与仏の知見なり
 究竟せること虚空にして
 広大にして辺際なし
3
本願力にあいぬれば
 むなしくすぐるひとぞなき
 功徳の宝海みちみちて
 煩悩の濁水へだてなし
4
如来浄華の聖衆は