問い

お内仏の日々のお供えやお給仕はどのようにすればよいのでしょうか。

答え

 お内仏の中心は、申すまでもなく阿弥陀如来です。御絵像のお掛け軸は正面中心に、曲らぬようにまっすぐお掛けしましよう。

 お内仏のお給仕は、正しいお荘厳(おかざり)から始まります。お荘厳は本来姿形には見えないお浄土を、私どもの感覚(五感)に応ずるように表現したものです。だから、阿弥陀如来や御先祖さまに供えるものではなく、お荘厳するのです。そのお荘厳の前にひざまづき手を合せることを通して、阿弥陀如来の願い(お意)を聞き、私もまた阿弥陀如来の世界へと歩ませて頂く意を確かめ、助長する気持ちになるようにお内仏全体を整えることが大切です。

「眼」に応ずるものはお花です。お花をプレゼントしたり、また病気見舞にお花をもらったりするとき、お花を通してお互の心が通います。清い美しい花は人の心を美しくします。したがってお内仏にも常に清く美しい、生き生きとした花をかざるように心がけ、不ゆかいな気持ちを起こさすような花はさけるのがよいでしょう。

「鼻」に応ずるものは香りです。線香や焼香がそれにあたります。心を落ちつけるような香りをただよわすことがお荘厳であって、ただ煙が出さえすればよいというものではありません。良い香りの線香を少々折って香ろの中に置きます。

「舌」に応ずるのは味です。常はお仏飯を朝のお勤めの後に備え、昼前におさげします。その他、お膳や酒、茶などは備えません。もしお華束を備えるならおもちなどがよろしいでしょう。それ以外のいただきものや初ものなどは、お内仏の外へお盆か机にのせてお供えすれば、お荘厳を乱すことなく、しかも心を表すことができます。

 お灯明は「身」に関係します。阿弥陀如来が全身でもって語りかけておられても、暗闇では感ずることが難かしい。私どももお互に明るいところで顔や姿を見ながら話し合うところに、よりよい心のかよいあいがあることでも頷ずくことができます。

「耳」は聞く働きをもっています。「南無阿弥陀仏」と称え、「正信偈ご和讃」を唱和してお勤めをする。これは称えることを通して聞かしていただくのです。

 このように、お内仏のお給仕を正しくし、日々お勤め、お念仏を励行することによってお浄土を感じ、阿弥陀如来のお意を仰ぎ聞くことが私達の生活の中心であります。

(本多惠/教化センター通信 No.10)

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Last modified : 2017/03/01 20:23 by 第0組・澤田見(ホームページ部)