問い

新しい御本尊をお迎えしたいのですが、どうすればよろしいか。また、古いご本尊はどうすればよろしいですか。

答え

 「御本尊」は本山からお受けするのが本来です。直接に京都の本山へ出向き、参拝接待所でいただいても結構ですが、各地に出張事務所として 教務所(大阪では本町の難波別院内にあります)があり、そこでお受けできます。代々本尊として礼拝していくものですから、安易に仏壇屋さんで市販のものを買い求めるようなことはやめて下さい。仏壇屋によっては「仏壇を買えば、本尊はサービスします」というのもありますが、これなどは本末転倒です。御本尊をご安置するための壇として仏壇を用意するわけです。まず御本尊をお受けして、本尊に合う御仏壇を求めるのが本旨であります。

 「御本尊」は、中央に「阿弥陀如来の絵像」、右に「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」、左に「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」の御名号の三幅が一体です。御絵像には「方便法身の尊形(そんぎょう)」と裏書があります。阿弥陀仏そのものではないが、私どもに阿弥陀仏の意(こころ・願い)を伝えんがために、仮に形に表された尊いお姿ということです。

 蓮如上人は「南無阿弥陀仏」の御名号を本尊として多くの門徒衆に手渡されました。その後、絵像のほうがより親近感があるので、両脇に十字・九字の名号を添えて門徒さんにお渡しするようになりました。

 ご本山からお迎えする本尊は尊くて、市販のものは価値がないというわけではありませんが、先祖代々今日に至るまで崇敬(そうきょう)し、宗祖親鸞聖人が今、現在に生きて法をお説き下さる場としての真宗本廟から御本尊をお迎えするのが、真宗門徒の当然な心情でありましょう。

 古い御本尊は、ご先祖や有縁の人々が日夜手を合わせ礼拝してきた御本尊ですから、粗末にならぬよう、住職さんに相談して手次のお寺へ納められたらよいと思います。

 古い御本尊と新しい御本尊とをお移し替えする時は、住職さんと相談の上、お別れとお迎えの法要(御移徙(ごいし)法要)を行います。御本尊だけでなく、お仏壇を新調されるときも同様に住職さんと相談の上、事を運ばれるのがよいと思います。

(本多惠/教化センター通信No69)

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Last modified : 2014/12/09 6:16 by 第12組・澤田見(ホームページ部)