~「心の目が開き 心の耳が開いてくる それが聞法の ひとつの功徳だ」~仲野良俊~

 科学技術が発達して、遠い宇宙の彼方の星の様子が見えるようになり、世界各地の事をリアルタイムで知ることが出来るようになった。また、人体の細胞の構造も分析して知ることができ、人の心理も文章化され説明され理解することができる。人間の知恵の進歩は確かに素晴らしいものである。
 しかし皮肉にも、便利で快適な世界は、他人の悲しみ、苦労を見えなく、聞こえなくしてきたようでもある。「お蔭様」や「もったいない」という言葉の背景にある精神世界は肉眼では見えない。感じて開かれてくるものである。
 報恩講の季節、仏恩、師恩、父母の恩、恩は売るものではなく、感じるものである。その感性は教法に出遇わなければ閉ざされ、枯渇してくる。

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Last modified : 2014/12/12 9:54 by 第12組・澤田見(ホームページ部)