~ 福願う 心の裏に 鬼の顔 ~  

 いよいよ受験シーズンの到来。答案用紙の出来次第で各人の進路が決定する。受験生本人も、その親も落ち着かない時節である。
 誰しもが待ち望む「合格」という朗報。親同士も苦しみがわかるだけに、他人の家の朗報にも「おめでとう。よかったね」と声を掛けたくなる。
 ところがひと度、自分の家に不合格通知が届くと、他人の家の朗報には素直に喜べなくなる。時には逆であってほしいとすら思ってしまう。
 私の中の鬼が、いつも出番を待っている。不合格という縁次第では、いつ鬼の虜(とりこ)になるかわからない私である。もしかすると身勝手な鬼に変身するかもしれない私。その鬼から解放された時、足元の大きな福に気づくかも。

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Last modified : 2014/12/12 11:41 by 第12組・澤田見(ホームページ部)