問い

お仏壇を買う時期はいつがよろしいか。また新仏壇を求めた時どうしますか。仏壇の安置場所や方角はどこがよろしいか。

答え お仏壇を求める時期は決められておりません。なるべく早く求めて日々お給仕することが大切です。何もない時に仏壇を買うと身内に不幸があるという人がありますが、これは全く根拠のない迷信です。

しかし、身内に不幸(死)があって仏事を営む必要性から仏壇を求めることになる場合もありましょうし、お彼岸やお盆や法事に合わせて、心新らたに求められることも悪いことではありません。要は一日も早く一家の中心、ご本尊を安置することが大切です。

新仏壇を求められたなちば、御本尊(阿弥陀如来の御絵像)を本山からお受けし、お寺にお願いしてお移徙(わたまし)の法要をお勤めします。お移徙(わたまし)とは「御(お)・渡(わた)・坐(いま)し」で、「渡っておいでになる、移っておいでになる」ことを敬って言う語です。ですから・お移徙(わたまし)の法要とは、新しくわが家のお内仏に阿弥陀如来をお迎えする儀式なのです。もちろん阿弥陀如来は、私たちがお迎えするまでもなく、目には見えませんが我われの生命力となってはたらき続けておられます。しかし私たちの心情として、新しいお仏壇に見える形をもってお迎えし安置するわけです。だから阿弥陀如来のご絵像を「方便法身(ほうべんほっしん)の尊形(そんぎょう)」というのです。

なお、お移徙(わたまし)には「移り立ちのく」の意味もあり、古くなった本尊をお寺へ返す場合のお勤めも含みます。

人間の生涯を終えて安心して帰る世界を浄土といいます。その浄土は、一日が終わって太陽が帰ってゆく西方にたとえられます。したがって浄土を方角でいえば西方に仰ぎ見るわけです。ですからお仏壇も東向き、つまり私たちは西に向って礼拝するのが理想です。しかし、今日のような住宅環境では思うようになりません。要は、家族全体がいつでもお参りできる場所であって、方角にこだわらず家の中心で、上座にあたる場所に安置するのがよいでしょう。トイレのそぱや、人がガタガタ通る場所は避けて、心静かに礼拝できる床の間か、それに準ずる場所で粗末にならない場所に安置することです。

(本多惠/教化センター通信)

Pocket

Last modified : 2017/02/28 20:29 by 第0組・澤田見(ホームページ部)