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「和顔愛語(わげんあいご)」

 「和顔愛語」というと、額や色紙でよく見かける言葉です。「和顔」とは、なごやかな顔、「愛語」とは、やさしい言葉です。善意に満ちたなごやかな笑顔で、愛情のこもったやさしい言葉で相手に接するということです。

 日本人には 「仏頂面(ぶっちょうづら)」 が多いと言われます。「仏頂面」とは、無愛想な、不機嫌にふくれた顔つきのことです。仏頂面をしている者は、他人のことを考えないエゴイストとして、欧米では嫌われると言います。ほほえみがエチケットなのです。

 私たちは、にこにこと笑っている赤ん坊の笑顔を見ると、本当に心があたたまります。赤ん坊の笑顔は、仏さまからの授(さず)かりものです。

 この「和顔愛語」は、『大無量寿経』の中に出て来る言葉ですが、この言葉の後に、「先意承問(せんいじょうもん)」(意〈こころ〉を先にして承問〈じょうもん〉す)という言葉が出て来ることは、案外知られていません。

 向こうから言われない先に、相手の気持ちを察して、その望みを満たしてあげるというのです。相手の立場に立って力を借すということでしょう。

 人間のあたたかさ、やさしさ、いたわりが、人を動かしていきます。

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Last modified : 2014/12/10 3:22 by 第12組・澤田見(ホームページ部)