問い

家族の者が亡くなると、ただちに葬儀の準備にかからねばなりませんが、葬儀の仕方や心得について教えて下さい。

答え

 葬儀は大切な儀式の一つです。今日まで交わり親しんできた人との最後のお別れの式です。厳粛に行いたいものです。

 死は私達にとって「最後のやすらぎ」だともいわれますが、出来れば避けて通りたいものです。しかし、だれも避けて通ることはできません。とすれば、その死を無駄にせず、大切に受けとめなくてはなりません。

身近かな人の死は悲しいものです。死は真似することのできない厳粛な人生の事実です。故人が身をもって教えられる説法であり、「沈黙の遺言」に心の耳を傾けなくては申し訳がたちません。愛する人の死は、私達が日頃忘れているものをつきつけてくるようです。生きているのが当然のように思っている私の思いを、根っこからゆさぶり「おまえ死ねるか」と問いかけ、「何が本当に大切なのか」と、文字どおり生命(いのち)をかけて語りかけてくださるのでしょう。

 人の死という厳粛な事実を「安らかにお眠り下さい」とか、「ご冥福をお祈りします」とか言って、涙とともに流してしまったのでは、亡き人をあまりにも粗末に扱うことになりはしないでしょうか。

 家族の方が亡くなられたら、先ず最初に日頃お世話になっているお寺の住職さんに連格して「枕経(まくらぎょう)」のお勤めをお願いします。「枕経」のお勤めは亡き人の枕もとで亡さ人と共に一緒に仏前にて行う最後のお勤めですから、お内仏を開けて御本尊前にてお勤めします。
その後、身近な親戚や知人、葬儀屋さん、地域町会の役員などに連絡をし、協議の上で葬儀委員長を決めます。葬儀委員長は式の一切を取りし切る立場の人ですから信頼のできる人で、人望のある人が望ましいでしょう。

 住職・葬儀委員長・葬儀屋さんとの相談の上で、葬儀の日時・場所・規模などを決めますが、この場合に日時は必ず先に住職さんにご相談下さい。それ以外の細かい事や、知人への案内等については葬儀委員長を中心に事を運んでゆくのがよいでしょう。

 葬儀の心得としては、亡き人を偲(しの)びつつ、仏法を憶念(おくねん)するというのが仏教徒の本義です。従って世間的な迷信にふりまわされることのないように、充分住職さんと話し合う必要があります。

(本多惠/教化センター通信)

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Last modified : 2014/12/09 6:16 by 第12組・澤田見(ホームページ部)