問い

お墓を建てるには、形や大小、方角に良い悪いがありますか。また、建てる日は、いつがよろしいか。

答え

 お墓は、亡き人を偲ぶ記念碑であって、亡き人の眠る場所ではありません。したがって、形や大きさ、方角などにこだわる必要は全くありません。

 最近はお墓の形や方角などについて吉凶を論ずる人があり、これを墓相学(ぼそうがく)などと称していますが、全く根拠のないものです。
 墓相家の意見を聞いてみても、人によってマチマチで、勝手な説がまことしやかに言われています。このような墓相家の言いなりになって、お墓を改修することは意味のないことです。
 ある人は、「あなたの頭痛の原因は、墓標の角が欠けているからだ」と言われて、墓石を建てかえたそうです。しかし頭痛は治らなかったということです。墓石と頭痛とは、なんの因果関係もありません。

 またある人の墓は先祖代々「三つ股(また)」の墓石であったところ、「三つ股の墓は、家系が絶える」と言われ不安になりお寺に相談にこられました。しかし、「もし三つ股の墓で家が絶えるのなら、とおに絶えてあなたはここにいないはずでしょう」と申したことです。

 お墓は、あくまで浄土に帰られた亡き人を偲びつつ仏縁に遇う「よすが」となるところであって、迷信にとらわれて先祖を悲しますような考えに陥ってはなりません。

 簡単に「真宗の建て方」について述べておきましょう。

◎軸石の正面には必ず『南無阿弥陀仏』のお名号を刻みましょう。○○家の家名は、台石の正面か、囲み石の柱などに刻みます。家紋の場合も同じです。

◎墓石に法名を刻むことは必ずしも必要ありません。もし記録として刻むならば、軸石の側面か『法名碑(真宗では「霊標」という言葉は用いません)』を別に建てて刻みます。

◎建てた人の名前・年月は、軸石の裏に刻みますが、「○年○月吉日」などと「吉日」という言葉は入れません。日に吉凶はないからです。

◎建てる日は、思い立った時いつでもよろしい。お盆、彼岸、年回などという決まりはありません。

(本多惠/教化センター通信No26)

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Last modified : 2014/12/09 6:16 by 第12組・澤田見(ホームページ部)