問い

お寺での元旦のお勤めを「修正会(しゅしょうえ)」というらしいですが、どういうお勤めですか。

答え

 「修正会」は真宗に限ったものではなく、室町時代ごろから仏教各宗派で勤められるようになったものです。もちろん、勤め方や内容はそれぞれの宗派によって違いますが、いずれも元旦から七日間勤めるのが基本となっています。

 真宗大谷派の本山、東本願寺でも七日間勤められています。本堂は念入りに荘厳(しょうごん)され、歴代のご門首の掛け軸(絵像)が全部かけられます。お鏡餅も供えられます。ちなみに親鸞聖人のご影前には、一枚五升取りの餅が左右で二十枚、計一石のものだそうです。

 とくに元旦は早朝から「御献杯の儀」が行われます。ご門首が宗祖親鸞聖人のご真影に屠蘇(とそ)の杯を献ぜられる儀式です。引き続き晨朝(じんじょう)勤行がつとまります。『正信偈』と、『和讃』は「弥陀成仏のこのかたは」で、『御文』さまは「或人(あるひと)いわく」で始まるいちばん最初のものです。勤行終了後、一般参詣者にもご献杯のお屠蘇のお流れが頂戴できます。

 このように真宗の年中法会といて本来あったものでもありませんし、いたって世間一般的な要素もふくまれています。仏法は平生業成(へいぜいごうじょう)であって日々を大切にと教えられますが、私たちの気持ちとして、お正月は何かしら心新たまるものです。蓮如上人のところへ道徳という同行(どうぎょう)が年始の挨拶に行かれたとき「道徳いくつになるぞ、念仏申さるべし」と言われたそうです。

 お正月にはやはり心新ためて親鸞聖人の教えに耳をかたむけ、今年一年も同朋(どうぼう)共々にお念仏の生活をしましょうと、お互いに確かめあう法会(ほうえ)の場をもちたいものです。

 地方のお寺でも、七日間とまではいきませんでしょうが、元旦、もしくは正月に日を決めて勤められているようです。神社への初詣は日本全国、大変なにぎわいですが、真宗門徒であるならば、まずお寺に参り、阿弥陀如来、親鸞聖人、そして友同朋に新年のご挨拶をしたいものです。

(本多惠/教化センター通信 No.91)

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Last modified : 2015/02/22 23:38 by 第0組・澤田見(ホームページ部)