問い

息子が結婚して親子二代で暮らすようになったのですが、嫁は以前からある宗教の熱心な信者で、先日私の留守中その宗教の人に過去帳に題目を書いてもらい、それから毎日お題目を唱えるようになりました。私の家は門徒だから止めるように言ったのですが止めてくれません。どうすればよいでしょう。

(60歳・主婦)

答え

 お嫁さんが真宗と違う宗教を信じていて、不快な思いをされているお気持はよく分かります。信教の自由とは言いながら、一つ家に生活しながら別々の宗教を信じていては、話し合いもままならず気持もしっくりいかないものです。できれば一つ教えのもとに、生活の依り拠を同じくしたいものです。

 しかし、現にお嫁さんは他の宗教を信じ熱心にやっておられるのですから、自分の家は門徒だからといって宗旨がえを強要しても、かえって火に油を注ぐことになります。今しばらくは静観されるのがよいと思います。

 それよりも私の家は真宗だと言っておられますが、それは家が真宗ということであって、あなた自身が門徒になっておられるかどうかが、問われなければなりません。自分が少しも真宗の教えに耳を傾けず、目覚めた生活をしないで、お嫁さんの信仰を批判することはできないでしょう。まず私自身が親鸞聖人の教えに耳を傾けつつ、お嫁さんの言い分にも心を開いて受け止め、その問題を共有しながら聞法を深めていってくださることをお願いします。

 ある熱心な門徒さんの息子さんが、病気が縁で天理教の教えを熱心に聞かれるようになり、母親が困惑して手次寺の住職に相談されました。住職さんは機会を待って息子さんの話をじっくり聞かれ,「あなたの言われることはスバラシイことです。寺の同朋会の人達にも聞かせてあげたいから、ぜひ同朋会に参加してください」と誘われたところ、時々寺の同朋会に出席されるようになり、座談会で意見を交わし話し合ううちに、いつの間にか阿弥陀如来に手を合わすようになられたということです。

 要は、まず私たち真宗門徒を名のっておる者一人ひとりが、親鸞聖人の教えを真剣に聞いて、真実の智慧を賜わり、いかなる出来事も受け止めて、しかもよかったと転じてゆける働きを我が身にいただいていくことではないでしょうか。

(本多惠/教化センター通信No127)

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Last modified : 2014/12/09 6:16 by 第12組・澤田見(ホームページ部)