問い

占いなどは迷信だといいますが、私はどうしても気になります。占い事はいけないことなのでしょうか。

(24歳・女性)

答え

 一時の占いブームは終わったようですが、最近はどんな週刊誌を見ても、必ずと言っていいほど「1週間の運勢」といったようなものが掲載されていたり、また、テレビ番組にも占いコーナーのようなものがあって、「何々に気をつけましょう」などと言っていたりします。

 日常生活の身近なところで、常にそんな話題に接していると、ついつい気になるのも仕方のないことかもしれませんが、はまり込んでしまうと、自分で物事を決めることが出来なくなるので注意しなければなりません。

 一般に、占いや運勢を気にする心理を推測してみると、「未来に起こることを予見して、より良い生活をしたい」ということになるかと思います。

 しかしこの思いは、「嫌なことは避けたい。都合の悪いことや面倒な事は起こってほしくない」という、生きていくことに対しての、逃げの姿勢以外の何者でもないと思います。

 更にまた、未来を予見するようなことが可能なのでしょうか。明日は何が起こるか、いや、5分後に何が起こるかわからないような世の中で、どうして今年起こる事や、2年も3年も先の事がわかるのでしょうか。少し考えれば、おかしいことだと思われるのでありませんか。

 今、自分の身の上に起こっている事柄は、今までの自分の行為(無意識で行った事も含めて)や、その事に関連した無量無数の事柄が、因となり縁となってはたらいた結果として起こっているのです。そしてその結果もまた、次に起こる事柄の縁としてはたらいていきます。それを仏教では「因果(いんが)の道理」とか「縁起(えんぎ)」という言葉で教えています。

 身の上に起こる事柄は、生まれた年月日や時間、場所、血液型や名前の画数などで決まるというような、そんな単純なものではありません。

 自分の人生を積極的に生きていこうとするなら、占いの言葉などに左右されず、自分で決めて行動し、たとえ良くない結果が出ても、その事を縁として次の歩みを始めればいいのです。そう受け止めることができたら、占いを「いけないこと」とかでなく、「必要ないこと」として、おおらかに生きていけるのではないでしょうか。

(教化センター通信 No215)

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Last modified : 2014/12/09 6:17 by 第12組・澤田見(ホームページ部)