悲しみと痛みを
忘れた世界ほど
悲しい世界はない

かなしみといたみを わすれたせかいほど かなしいせかいはない

 「泣ける映画」「感動できる純愛ドラマ」が流行している。感動したい、泣きたい人がそれだけ多いということだろうか。韓流ブームもそうした人に支えられているようである。日韓交流にも一役買っているという。結構なことであるが、一方で、北朝鮮への拉致被害者家族が帰国した時、「冬のソナタ」の放送が中止となり、放送局に6千人を超える視聴者からの抗議電話があったという話もある。他人の痛みと悲しみが見えなく、聞こえなくなっているのだろうか。まさにドラマに涙しながら、涙を失った世界である。
 痛ましく、悲しい現実社会の事実から目をそらして涙と感動を求めても、それは虚構に過ぎない。虚構で代行された涙や感動は、いつしか色あせ、次なる虚構を求めるしかない、真の感動は足下にある。
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Last modified : 2014/12/12 9:19 by 第12組・澤田見(ホームページ部)