ひとは あいだがらを いきているから にんげんという

「人は間柄を生きているから人間という」

 現代の都会の子供たちが時間、空間、仲間の三つの「間」を失っているということで、「三間喪失」ということが言われている。遊びの三間喪失が子供の体力不足の要因、また、三間喪失がイライラ原因にもなっているという。子どもだけではない。大人たちも効率的時間に囚われ、居場所を見失い、仲間を見失い、孤独の中で方向を見失っているようである。
 源信僧都の『往生要集』で著された阿鼻地獄の有り様は、苦しみが間断なく襲う無間の地獄だ。まさに希望も安らぎもない、孤独で、仰ぐべき天無く、立つべき大地を失った「間」なき世界が地獄である。
 「間」「間柄」を見失うと地獄・餓鬼・畜生・修羅の世界だ。デジタル文化が闊歩する今日、どのような「三間」を見いだせるか、人生の一大事だ。

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Last modified : 2014/12/12 9:31 by 第12組・澤田見(ホームページ部)