~ 鬼は外 福は内 私の身勝手が 豆をまく ~ 

 子どもたちが「鬼は~外、福は~内」と豆をまく姿は冬の風物詩で、微笑ましい光景である。関西ではいつ誰が考えたのか、節分に陰陽道でいうその年の恵方とやらを向いて巻きずしを切らずに食べて福を願うという、滑稽な風習もある。
福を願い災いを避けたいという思いは、人間の自然な心でもあるが、「鬼の居ぬ間に洗濯」という言葉があるように、人は自分にとって不都合な事や存在を鬼にしたいものである。
不都合、不服従、不如意を鬼に仕立て上げて、鬼退治したいという心の奥底には、人間の身勝手が潜んでいる。もしかすると、その心こそが、鬼の形相となって家族の中での鬼退治ならぬ、昨今の殺戮事件を生んでいるのかもしれない。 

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Last modified : 2014/12/12 11:27 by 第12組・澤田見(ホームページ部)