~ いのちというのは 同感するはたらきである ─金子大榮─ ~

 人は自分が悩んでいる時や悲しい時、誰かに気づいてほしいものである。時には「誰も振り向いてくれない」と不満をもらすこともある。しかし反面、隣で悩み苦しんでいる人がいても、何があったのかと平然と日々を過ごしていることもある。まことに自分勝手としか言いようのないのが人間である。
 真宗大谷派では「今、いのちがあなたを生きている」をテーマに、宗祖親鸞聖人750回御遠忌を来年迎える。標記の言葉の続きに金子師は、「泣く人に対しては泣く人の心持ちに同感し、悩む人に対しては悩む人に同感する。いかにもそうであると同感してゆくはたらき」と語られる。私という存在にまでなった無量寿の「いのち」の根底にある同感の働きが、今私に、輝いているだろうか。

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Last modified : 2014/12/13 10:53 by 第12組・澤田見(ホームページ部)