最後の瞬間まで「自分を必要とするものがいる」と信ずる
         それを愛とよび 希望という      ~平野 修~
 

 現代人の心の問題の一つに「自分は周りから必要とされていない」と不安になり、それを誰にも相談できず思い悩む人が増えていると言われている。
 宮城顗先生の言葉に「救われるということは場所をたまわることです。自分が生きている意味が与えられる場所があったと」とある。私たちは、自分自身の居場所をすぐ見失ってしまう。なぜなら、自分の好き嫌いや損得でものの良し悪しを分別し、都合の悪いものを切り捨て、ついには自分の居場所を失い、周りに人がいても孤立無援の世界に陥ってしまうからだ。
 自分と他者とは、同じ立場に立つことはできないが、苦しみや悲しみに寄り添って共感することはできる。そこに自ら自分の居場所が回復するのでないか。

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Last modified : 2014/12/13 12:09 by 第12組・澤田見(ホームページ部)