選ばず 嫌わず 見捨てず ~ 竹中智秀 ~ 

 私たちはこの言葉とは反対に、自分の都合で縁あるものを選び取り、嫌って見捨ててしまう心を持って生きている。人間は本来、多くのご縁を持った存在であり、関係性の中で生きていくものである。無縁社会という言葉が現代を象徴しているが、そもそもは自ら縁を絶ち殻に閉じこもって、自分の力だけを頼りにして生きようとしているのではないか。
 しかし阿弥陀様は、そんな私たちの生き方に対しても、決して選んだり嫌ったり見捨てたりしない「摂取不捨」のお心で私たちに寄り添ってくださっている。その本願のはたらきに出遇い、自らの在り方を見つめ直す時、縁によって支え合い、生かされている我が身の姿が見えてくるのである。 

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Last modified : 2014/12/13 12:43 by 第12組・澤田見(ホームページ部)