みえないものが 花をさかせる 匂いをつける ~中村静村~ 

 人間の計らいを超えて季節が来れば自ずと花を咲かせ、独特の香りを運んでくれる沈丁花。名前の由来は香木の沈香のような香りと、丁字(ちょうじ・クローブ)のような花をつけるところから名付けられた用だ。丁の字は釘に通じるとか。また、漢名は瑞香。果実は有毒だが花は民間薬としても利用される。花言葉は栄光・不死・不滅・永遠だそうだ。
 春の光や気温や大地や時と場所などなど、人の思いや計らいや分別を超えた縁(条件)が熟すれば、自ずと花となって、香りとなって顔を出す自然(じねん)の「はたらき」がそこにある。そんな「はたらき」を、いつの間にか人は見過ごしてきたのかもしれない。「不思議だなぁ」と素直につぶやける素朴な感性を取り戻したいものである。

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Last modified : 2014/12/13 11:48 by 第12組・澤田見(ホームページ部)