親鸞聖人の主な著作
顕浄土真実教行証文類 けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい(略称:教行信証)
浄土真宗立教開宗の根本聖典。経典・論・釈文から阿弥陀仏の本願に関する主要な文を集め、私釈をほどこしている。教巻・行巻・信巻・証巻・真仏土巻・化身土巻の六巻で、行巻末に『正信偈』。東本願寺蔵の直筆板東本は国宝。
浄土文類聚鈔 じょうどもんるいじゅしょう
『教行信証』の肝要を略述したもの。『教行信証』を「広文類」と呼ぶのに対し、引用が五経・二論・五祖の釈に限られ「略文類」と呼ばれる。
愚禿鈔 ぐとくしょう
『二巻鈔』ともいわれ、浄土教の先師の教えに照らして、他力信心について自らの領解(りょうげ)を述べている。
入出二門偈 にゅうしゅつにもんげ
天親『浄土論』、曇鸞『浄土論註』、道綽・善導の釈によって、他力回向をたたえうたった偈文。
浄土三経往生文類 じょうどさんぎょうおうじょうもんるい
浄土三部経を抜粋して解説を加えたもの。
如来二種回向文 にょらいにしゅえこうもん(往相還相回向文類)
阿弥陀如来の本願に往相と還相の二種の回向があることを、経論の文を引いて簡潔にしめしたもの。
尊号真像銘文 そんごうしんぞうめいもん
略して『銘文』。真宗の本尊阿弥陀如来の名号(尊号)や、先徳の肖像(真像)に書き加えられた讃銘の文を集め、解釈をほどこしている。
一念多念文意 いちねんたねんもんい
法然門下の隆寛『一念多念分別事』に引証する経釈の要文に注釈を加え、念仏往生は一念多念のどちらにも偏しないことをあかしている。
唯信鈔文意 ゆいしんしょうもんい
法然門下の聖覚『唯信鈔』に引証する経釈の要文を注釈した書。
三帖和讃 さんじょうわさん
七五調和文で讃嘆する歌が和讃で、五百首以上ある中『浄土和讃』(118首)、『高僧和讃』(117首)、『正像末和讃』(118首)を三帖和讃という。
御消息集 ごしょうそくしゅう
親鸞聖人が帰洛後に関東の門弟に出した書簡集。数種類伝えられているが、編集年時や編者は不明。善鸞義絶関係の書簡も含む。
末灯鈔 まっとうしょう
親鸞聖人の書簡など二十二通を、従覚上人(寛如上人の次男)が編集したもの。
歎異抄 たんにしょう
親鸞聖人の直弟子である唯円が著したといわれる聖人の法語集。後半は当時の諸異義に対する批判。
教区出版会議発行『真宗入門Q&A』より
Last modified : 2015/02/13 23:20 by 第12組・澤田見(ホームページ部)