
ありのままに受けとめる
テレビの日曜訪問で、元ロッテの選手、現NHK野球解説者である村田兆治さんの話を聞きました。
以前、大怪我をされた時のことを聞かれて、「傷がとても痛みましたが、痛い痛いといくら人に言ってみても、痛いのはなおるわけではありません」と言っておられました。なるほど、その通りに違いありません。しかし、私たちは、言うてみてもどうにもならんのに、つい、人に言ってみたり愚痴をこぼしてみたりします。
そう言えば、Uさんの所のおばあさん、晩年は視力も衰えて、ものも見えなかったのではないかと思います。
ある日お参りした時、その見えぬ眼で、テレビをじっと見ておられました。
後でのお話ですが、「私は、テレビを見ていても、もちろん画面が見えるわけではありません。しかし、音楽や出てくる人達の話を聞いていて、今、どんな景色や情景なのか、今、出ている人はどんな顔をした人で、どのような服装をした人かなどいろいろと勝手に想像して聞いています。これが結構楽しいんですよ。」と言われるのです。
自分のからだの不自由さをありのままに受け止めて、それを乗り越えて、喜びの生活を味わっておられるのです。りっぱなものです。
私たちは、こんな時、ともすれば、何で自分だけこんな目にあわされんとあかんねんと、うらみ、つらみが出て、ついぼやきたくなるものです。
なかなか、まねのできることではないなあと、しみじみ思い知らされたことでした。
(平成3・11・20)
Last modified : 2014/12/10 3:21 by 第12組・澤田見(ホームページ部)