あじさい
みんな言うたはる

 つい先日のことです。「閏年(うるうどし)の年には年忌したらあかんてみんな言うたはりまんねん。今年に繰り上げてお願いできまへんか…。」「来年の分も、もう何軒か聞いていますよ」「ほんまになあ、そうでっか。…そんならうちも3月に頼んどきまよか。よろしいんですな」…。

 とに角、「みんな言うたはる」からどうのこうのということが多いですね。

 子どもから「みんな持っているから買うて」と言われると、たいがいの親はつい信用してしまい、うちの子だけ持っていなかったらかわいそうやと買ってしまいます。中学生くらいの子が、先生に何か注意されると「みんなしてます」と言って自分の責任をのがれようとすることがあります。「みんなってどこのだれとだれや」となると、途端に答えがつまってしまいます。

 「みんな言うたはる」という場合も、言っている人はとなるとつい漠然とした無責任なものになってくるし、しかも根拠のないことが多いものです。ただそれらに逆らって何かあったら何言われるかわからんという心配が先に立っているようです。

 昨夏、Aさん宅のお葬式、友引と重なりましたが、「友引くと言うのやったら、何やったらオレいっしょに棺桶に入ったんで」ときっぱり言われ、滞りなく進行されたのはさわやかであり、みごとでした。

(平成3・8・15)

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Last modified : 2014/12/10 3:20 by 第12組・澤田見(ホームページ部)