ひまわり
二度と戦争をしてはならない

 今年は、昭和20年になくなった方々(戦没者を含め)の50回忌です。

 7月に信徒さんのお宅で50回忌の法事が勤められましたが、何と8人の方の50回忌なのです。昭和20年1月に南方洋上で戦死された方のほかに、昭和20年8月9日に男子(2歳)、13日に女子(9歳、12歳)、18日に男子(10歳、17歳)、19日にお母さん(46歳)、24日には男子(6歳)というように7人の方が亡くなられています。9人兄弟のうち7人が亡くなっているのですが、お話を聞いてみますと、昭和20年8月9日、長崎に原爆が投下された時に犠牲になった方々なのです。この時の死者は約7万人にのぼったといわれています。

 また、ある奥さんの兄さんは、戦時中予科練に入隊されたのですが、出撃の時に2回とも飛行機の調子が悪くて飛び立てないまま終戦を迎えられました。しかし、今でも多くを語られないということです。戦友のほとんどの人たちが飛行機とともに出撃して戦死されたのに、出撃できなかった悔しさ、多くの戦死者の中で一命をとりとめたことなど、複雑な気持ちがあるのかも知れません。私の中学校の時の同級生も予科練に入り、銀河特攻隊に参加して沖縄戦で戦死しています。

 門徒さんの中でも年輩のほとんどの方は軍隊生活の経験、戦時中の体験などそれぞれ忘れ難い思い出を持っておられることと思います。

 ところで第二次世界大戦で、広く全世界で5000万人、アジアで2000万人を越す死者を出し、わが国では約310万人の死者を数えると言われます。

 私たちは今日、今までにない平和と繁栄の日々をおくっています。平和のためにご苦労され、戦争の犠牲になって亡くなられた多くの方々に思いをいたし、平和の有難さをかみしめつつ、よりいっそう平和への努力を怠らないようにするのが私たちのつとめであると思います。

 今年も盂蘭盆会(うらぼんえ)と戦没者追弔会を迎えるにあたり改めて『大無量寿経』に、お浄土は「国豊かにして民安く兵戈(ひょうが)用いることなし」、暴力のない平和の国と説かれていることに思いをいたし、この戦争のない国こそ私たちが願っているこの世界の姿でなければならないと強く念じることであります。

(平成6・8・13)

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Last modified : 2014/12/10 3:20 by 第12組・澤田見(ホームページ部)