問い

家を新築したので仏壇を求めたいが、何もない時に仏壇を買ったら死人が出ると言うが、ほんとうでしょうか。

答え

 とんでもない間違いです。仏壇を買うことと死人が出るということの因果関係は全くありません。仏壇を買わなくても時がくれば死人は出ます。「何もない時に仏壇を買ったら死人が出る」とよく言われますが、おそらく仏壇の意味を知らないからそのように言うのでしょう。仏壇とは文字通り仏を安置する場所です。死んだ人が入る場所でもないし、死んだ人の位はいを置く場所でもありません。

 浄土真宗ではアミダ仏を本尊として仏壇の正面中央に安置します。本尊とは「本当に尊い」という意味です。家庭生活をする中で精神生活の中心となるものが本尊です。

 真宗門徒の多い地方では、分家して新しい所帯を持つと、親は必ず本尊を安置した仏壇を用意して与えたものです。一家の中心を支えている柱を大黒柱というように、一家庭の精神(心)をささえるのが本尊です。

 その意味では一家庭の心を結ぶ「要(かなめ)」です。扇子にも「要」があります。多くの竹骨を一点でキチッと結んでいるのが「要」です。「要」さえキチッと結ばれておれば、多少紙が破れていても扇子の役割は立派にはたします。しかし、どれほど見た目に美しい扇子であっても、「要」がバラバラでは扇子の役目ははたせません。

 家庭に本尊がないのは「要」のない扇子のようなものです。一日も早く本尊を安置する仏壇を求めて、家庭生活の中心を定めることが大切です。

(本多惠/教化センター通信)

Pocket

Last modified : 2014/12/09 6:16 by 第12組・澤田見(ホームページ部)