問い

お内仏のお荘厳とお給仕の仕方についてもう少しくわしく教えて下さい。

答え

 お内仏は、中心に阿弥陀如来をご安置し、全体でお浄土の相を表現したものです。ですから、きらびやかな中にも整然とした調和が保たれ、厳しゅくさがなくてはなりません。

◎お花-真は松や檜のようにピンと立ったものにして、四季折々の花をとり交ぜてさします。花は何でもよろしいが、つるに咲く花やトゲのあるもの、不快な感じのするものはさけましょう。上卓の華瓶には水を入れ樒をさすのが正式です。樒の入手できない場合は樒に似た青葉の木を用います。花は用いません。

◎燭台-正式には鶴亀の燭台を用いますが、場合によって円筒形のものも用いられることがあります。平日は輪灯に灯明を点ずるだけでよろしいが、あまりお内仏の中が暗くて、よく拝めないような場合は小さな蝋燭を立ててもよいでしょう。祥月・命日・盆・正月・両彼岸などは蝋燭を立て、お年忌・報恩講など重要な仏事の時には朱蝋(赤)を用います。蝋燭や灯明を消す時は、必らず火箸で芯を挟み切って消します。口で吹き消したりするのは無作法です。

◎香炉-毎日のお勤め前に土香炉(陶器の香炉)に、線香を適当に折って火をつけて横に置きます。線香は立てません。線香・お香はなるべくよい香りのするものを選びましょう。平常の時は、お香をたかず線香のみで結構です。

◎仏供-お仏供は白飯を円筒形に盛ってお備えします。平日は毎日朝のお勤め後に上げて正午前に下げますが、年忌や報恩講にはそのお勤め前に新しく備え、終了後に下げます。

◎その他の注意-打敷は、年忌・報恩講・盆・正月・中陰などの場合にかぎり用い、平常は用いません。

 また、お内仏はお浄土の世界を表現していますから余分なものは入れてはいけません。神社のお札・祈祷符などは絶対に置かないように。亡くなった人の写真などもお内仏の中には置かないことにしています。位牌も真宗では用いません。法名記(過去帳)も、正式には平常は引き出し内にしまっておき、命日に出してお勤めをしますが、平常よりお内仏に置く場合は一番下の段に置いて下さい。その他、水・お茶・酒などもお供えしません。ただし特別な法要の時には供笥にお供物(お正月は鏡もち、その他の時はおもち、白せんこうなど)を盛ります。

 扉は朝開けて、夜お勤めが終わった時閉めます。その間、お勤めの時以外は内障子を閉めておきます。

(本多惠/教化センター通信 No.9)

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Last modified : 2017/02/28 20:26 by 第0組・澤田見(ホームページ部)