「二つならべて 足のうらにも 月を見させる」  

 小学生の「化粧」という詩に、「うちのお母さんとってもきれいや でも足の裏まっ黒けや」とある。
 考えてみれば最近、足の裏をじっくり眺めた記憶がない。子どもの頃は、足の裏のにおいを嗅ぎ、くすぐり合いをしたりと身近な存在であったはず。ところがいつの頃からか、周囲の目を気にするあまり、顔やスタイルばかりに気を取られ、足の裏のことを忘れてしまってはいないだろうか。
 足の裏とは、この私を支え続けてくれている存在という意味である。この存在が確認できない限り、大地に根ざした生き方はない。
 報恩講を機縁に、存在を忘れがちな私の足の裏にも「有り難う」とお礼を言いたいものである。

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Last modified : 2014/12/12 11:36 by 第12組・澤田見(ホームページ部)