~ 仏法に 明日ということはない 今日の尊さ 今日のありがたさ ─曽我量深─ ~

 年末を迎えると、何か気ぜわしいこころもちになる。昔から、今年のことは今年のうちにしておかないといけない、とよく言われてきた。これは、新鮮な気持ちで新しい年を迎えようとするあらわれなのだろうか。
 しかし日頃は、今日できないことは明日にすればいいと先送りにすることが多くある。
 親鸞聖人は、九歳にして得度されるとき、時刻も遅いので明日に延ばしてはといわれ、「明日ありと 思ふ心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」と、世の無常を詠われたと伝えられている。今日、唯今が、いのちが私となって生きている時なのである。二度とない瞬間であり、ありがたいのである。そうだ、有ること難しの存在なのである。

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Last modified : 2014/12/12 22:53 by 第12組・澤田見(ホームページ部)