仏に帰依せば、終(つい)にまた その余の諸天神に 帰依せざれ ~『涅槃経』~ 

 科学文明の発達は、人間に豊かな生活を供与してくれた。特に電気エネルギーは、闇夜を照らす照明となり、物を動かす動力となり、人間の文化生活に無くてはならないものとなった。そして、限りなくそのエネルギーを必要とする道具も生み出され、人間の生活の中に浸透している。まさに、電気こそ「天」であり「神」であるかのようである。そして、人類はついに、電気を生み出す「原子力」というエネルギーを手にして、電力という天神こそ人間を幸せにすると信じて疑わなくなった。
 がしかし今、その電力を生み出す制御不能の「原子力」なるものが、人間から生きる大地を奪い、生命を傷つけ続けている。そもそも、真に帰依すべきものとは何か、今一度確かめねばならない。

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Last modified : 2014/12/13 11:09 by 第12組・澤田見(ホームページ部)