出向く教化のご紹介【しゃらりん32号記事】

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4組寺族研修会へ〈寺院儀式相談室(儀式・法要部)〉

2016年度の第4組寺族研修会のテーマは「こんな時どうする? ―今さら聞きにくい葬儀・法事の儀式作法 おさらい―」。前年度の研修で、葬儀を見直そうということになり、「寺院儀式相談室」(教区教化委員会 儀式・法要部主催)を活用し、講師を吉川知德師(第4組阿彌陀寺)にお願いし、葬儀について2回の研修を行いました。

1回目は自坊の常榮寺にて、概説的に「葬儀とは?」をテーマに資料を参照しながら、「寺族」の葬儀・中陰の一連の流れを確認しました。儀式作法の由来・由縁にまでさかのぼって教えていただき、疑問に思っていたことが色々と納得のいく研修会でした。

2回目は聞名寺にて、西川禅慈師(第5組法泉寺)を助手に、実習形式で行いました。初めに、『真宗大谷派 寺院における葬儀の基本』(大阪教区出版会議)をテキストに、「紙華」や「根菓餅」の由来などを聞き、いざ制作へ。材料を準備していただいていたこともあり、初めてながら2時間の研修で「紙華」一組と「根菓餅」一対が完成しました。材料集めから始めるとなるとかなり大変なことが想像できます。最後にその材料の入手方法を教えていただき研修を終えました。
改めて考えてみて気づかされたことや、実際に手を動かしてみてわかったことなど、お陰様で充実した研修になりました。

(第4組常榮寺・久世見証さん)

第9組人権研修へ〈ハンセン病問題に共に学ぶ実行委員会(社会・人権部)〉

第9組では、6月30日午後、豊中市の誓願寺で人権研修を実施しました。

テーマは「ハンセン病問題から学ぶ」で、研修は二部構成としました。第一部は「真宗大谷派とハンセン病問題」という題で、真宗大谷派ハンセン病問題に関する懇談会委員である小松裕子師に講義をして頂きました。第二部はハンセン病回復者でハンセン病関西退所者いちょうの会原告団顧問の森敏治師に、「偏見・差別解消に向けて~これからもありのままに~」という題で語っていただきました。森さんは、ハンセン病であったことを隠さず生きておられます。
後の質疑の時に、私は思い切って尋ねました。「こんなことを尋ねてよいのか、失礼なことをお聞きすることになると思いますが、ハンセン病を発病したことは自分の意志ではないのに、自分にはどうしようもなかったのに、その納得し難い自分の境遇をどのようにして受け入れたのか、受け入れられたのか、頷けたのかをお話しいただければ幸いです」と……。「このような病気に生まれたこと、お母さんを恨んだことはないけれど、隔離政策が憎い。隔離政策が悪い」と言われました。

ハンセン病については、私はこれまで身近に知ることはありませんでしたが、知ることからしか始まらないと改めて思いました。森さんが自身の思いを静かに語られた言葉とその姿を見て、これまでの苦難の歩みを想像しました。そして、その事実を知った私たちが、今後どう行動しどう言動するのか、その姿勢を私たちが問われることになりました。

(第9組浄光寺・木田正裕さん)

子ども会へのブットンくんの派遣〈子ども同朋唱和講習会(儀式・法要部)〉

こんにちは、ブットンくんと一緒に、いろんなお寺の子ども会に遊びに行っているお兄さんです。

僕たち「子ども同朋唱和講習会」メンバーは、難波別院の公式キャラクターであるブットンくんと一緒に、依頼を受けた大阪教区のお寺の子ども会にお邪魔をして、お寺に遊びにきた子どもたちと一緒に正信偈のお勤めをしています。
とはいえ、いきなりお勤めをすることは子どもたちにはとても難しいので、みんなと仲良くなるために、本堂でゲームをしたり絵本を読んだり、楽しいことをいっぱいしています。
初めて会った友達同士でも、1時間から2時間を一緒に過ごすうち、すぐに心の距離が近くなっていくことが子ども会の良さだと思います。

僕たちスタッフは、ただ子ども会にお邪魔して、お勤めをするだけではありません。
年間、数回の教区内講師からゲーム等の講習を受けつつ、年に1回は教区外から講師を招き、1泊研修をしています。
毎回講師の先生からは「お寺で子ども会をすることはどういうことか?」という課題をいただいています。
また、「子どもは漢字で子供と書きますが、大人の供をさせる『供』ではなく、大人側が子どもの純粋な眼から学ぶ活動の場が子ども会ではないだろうか」と教えていただいています。

子どもたちが本堂で手を合わすことをすすめる活動は、これからのお寺での聞法生活や、ひいてはお寺の護持につながる活動であるといえるのではないでしょうか。
子ども1人からでも子ども会を開催していただけますし、お寺に来た人たちには「このお寺に遊びに来てよかった」と思えるように全力を尽くします。

ぜひお気軽にご依頼くださいね。

(第5組浄琳寺・森 広樹さん)