柴講で真宗本廟報恩講参拝(11/25)

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去る11月25日、真宗本廟報恩講に「本山柴講」で参拝しました。例年、ご門徒に住職・寺族が帯同し、25名ほどで貸切バスにて上山していましたが、今年は、新型コロナウイルスの感染症流行の状況に鑑み、当番寺の長德寺様(佐藤和代 代務住職)を中心に、どのような形で参拝するのか、事前に慎重に検討されました。今回は各寺院を代表し6名が参拝し、燃料懇志をお供えしました。9時30分に参拝接待所に各々が集合し、10時からの中日中のお勤め(御影堂)に参拝しました。その後、表小書院において「採納式」に参列し、大寝殿でお斎を頂きました。

中日中参拝

参拝接待所や御影堂の入口など各所に消毒除菌スプレーが設置されていました。御影堂の参拝席は、一定の距離が設けられいて、入退場の動線も職員の方が誘導くださり、安心してゆっくりと参拝させていただきました。

採納式

齋藤参務より記念の紋菓が贈られました(表小書院)

財務部の職員の方より案内いただき、表小書院にて採納式に参列しました。

参務 齋藤 財務長から、200年近く続いてきた柴講の伝統についてお話をいただき、柴講参拝と燃料懇志のお供えに対して謝辞を頂きました。

齋藤 参務から当番寺 長德寺様(佐藤和代 代務住職)に記念品の紋菓が授与されました。

式の後、表小書院において、財務部 藤岡部長としばし歓談しました。

 

お斎

大寝殿では、一人用のテーブルと椅子が十分な間隔が開けられ配置されていました。さらに、テーブルの周囲は飛沫防止パーティション(アクリル板)で囲まれ、感染対策の工夫が図られていました。

土肥参務からのご挨拶ののち、全国からの参拝者の方と一緒にお斎を頂きました。

今年は折詰のお斎でしたが、献立の一部は、大根は愛知県御華束講・椎茸は大分県椎茸講・蓮根は愛知県蓮友講など、毎年とかわらず進納されたお斎材料で調理されていました。また、けんちん汁は、保信会の方により配膳されました。

感染症防止対策が十分に図られ、安心してお斎を頂きました。(大寝殿)

お斎に先立ち土肥参務からご挨拶がありました。(大寝殿)

朱塗りのお膳は、1895年(明治28年)に両堂再建された後、石川県輪島にて桜材を使用して調製されたとのことです。(「お斎の栞」より)

 

 

コロナウイルス感染症の流行の終息が見通せず、様々に不安を抱いて生活する状況ではありますが、参拝の受け入れに際し、十全に感染予防対策が講じられていて、また、職員の方々が丁寧に案内くださり、ゆっくりと報恩講に参拝することができました。おおよそ200年伝承されてきた「柴講」の歴史の中には、昭和15年からしばらくの間、薪の統制により途絶えた時期もあったと伝えられています。今年は、新型コロナウイルス感染拡大が懸念される状況の中、報恩講に参拝するご縁をいただきました。採納式で齋藤参務のお話を伺い、時々に困難な時代を超えて、先人先達から伝えられてきた「柴講」を今後も有縁の方々と共に大切に受け継ぎ、次代に伝えてまいりたいと、改めて感じました。