近江と関ヶ原の真宗寺院を訪ねて〜摂護会研修旅行〜

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大津別院書院

8月30、31日の1泊2日の日程で、恒例の摂護会(第6組住職の会)研修旅行が行われました。今回は11名が参加(内1名は現地で合流)して、近江、関ヶ原方面の諸寺院を訪れました。

最初に訪れた大津別院は大津御坊とも呼ばれ、教如上人による創建です。重要文化財の本堂に参拝し、教如上人,観如上人の御影を拝ませていただきました。また、本堂の背面にはやはり重文の書院があり、教如上人らが徳川三代に謁見したとされます。この書院の奥に位置する上段の間は金碧障壁画で彩られており、職員の説明に耳を傾けながら、見事な花鳥図や草花図が描かれた襖絵や壁画、天井画に魅了されました。

蓮正寺にて

午後には守山の蓮正寺を訪ねました。元は天台宗に属していましたが、後に金森道西と共に本願寺再興に尽力した了西が、蓮如上人に帰依して真宗寺院となりました。400年前に建立された、真宗では最古とされる本堂でお勤めをし、蓮如上人直筆の名号軸等を見せていただきました。

その日は長良川温泉の老舗旅館で、その名を松尾芭蕉の句に由来する十八楼に宿泊し、旅と日頃の疲れを癒しました。

聖蓮寺本堂

 

錦織寺

 

2日目は、午前に関ヶ原にある本願寺派の聖蓮寺を訪ねました。ここも元真言宗の寺院であったものが、親鸞聖人が関東より帰洛の際にお立ち寄りになられたことで、真宗に改宗したとされます。親鸞聖人ゆかりの硯や念珠を見せていただきました。住職がご不在でしたが、代わりにお話をして下さった坊守様と一緒に、親鸞聖人のお手紙を拝読しました。

 

 

 

そして最後に木辺派本山である錦織寺を参拝しました。天安堂に安置される毘沙門天像は、慈覚大師円仁が比叡山から当地に移したとされます。後に親鸞聖人が関東から京都にお戻りになる途上に、夢告によって立ち寄られ、以後湖東地域の信仰の中心として栄えました。親鸞聖人が『教行信証』を当地で完成させたという寺伝に基づいた「満足の御影」を拝ませていただきました。

今年は時折雨に見舞われる天気でしたが、2日間にわたってなかなか充実した研修ができました。