戦争展実行委員会 友ヶ島フィールドワーク (9/29)

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戦争展実行委員会では、毎年戦争遺跡を巡るフィールドワークを行っています。今年は和歌山県加太市にある友ヶ島に行ってきました。

友ヶ島という名の島があるのではなく、紀淡海峡に浮かぶ4つの島(沖ノ島・地ノ島・虎島・神島)の総称を友ヶ島と呼びます。

友ヶ島は大阪湾への進入路に位置するため、黒船来航の頃から重要拠点とされてきました。明治時代には由良要塞の一つとして砲台群が設置され、約600人の兵隊が駐屯する軍事要塞の島として第二次世界大戦が終わるまで使用されました。終戦後、砲台は取り壊され、大砲は処分されましたが、今も砲台跡や弾薬庫跡などが島に残っています。

参加者は9名。午前10:30に加太港に各自集合し、フェリーで友ヶ島へ。現在友ヶ島はラピュタの島として人気観光スポットとなっていて、フェリー乗り場には思っていた以上に人が集まっていました。

ガイドは和歌山市語り部クラブの田伏充弘さん。途中で小雨も降ってきましたが、約4時間かけて砲台跡を中心に島全体にある戦争遺跡をじっくりと巡りました。田伏さん長時間の案内ありがとうございました。

島の中では徒歩での移動でしたが、なかなか大変でした。坂道も多く、足場もあまり良くありません。ハイキングというより、山歩きに近いでしょうか。歩きやすい靴で行くことをおすすめします。途中のタカノス山展望台で昼食(各自持参)。紀淡海峡を一望できる素晴らしい景色でした。

友ヶ島は砲台跡や弾薬庫跡だけでなく、所々に施設の跡が点在していて、本当に見どころがいっぱいの島でした。長年の月日の経過とともに崩れかかっている部分も多数ありますが、当時の面影を現代にしっかりと伝えています。残念ながら風化により立入禁止の場所も見受けられました。

「海軍聴音所跡」。海中の敵の潜水艦のスクリュー音を24時間体制で聞き分け察知する施設。このような施設があった事も初めて知りました。

次回の戦争展パネル展(2023年3月頃予定)の展示は、今回行った友ヶ島のフィールドワークが中心となります。興味のある方はぜひお越しください。