年頭のご挨拶 2022年

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慶讃法要に向けて
願いにかなう歩み

大阪教務所長ならびに難波別院輪番に任命されて約半年。多くの人との出会いと、多くの出来事がございましたが、コロナのこともあり、人そして大阪教区の中に連綿と流れる願いに触れるには、当然まだまだ出会いと学びが足りないと感じております。

しかしながら、一人ひとり、一つひとつの出会いと出来事を思い返してみますと、それぞれの背景に歴史と伝統、そして多くの人々と様々な事柄の積み重ねがあることを思わされます。したがって、これからも一つひとつの出会いと出来事を大切にしなくてはならないと、「ご縁」という意味を改めていただきなおす新年となりました。

今、あらためて蓮如上人の「大坂建立」の御文をいただきますと、この御文は、明応七年十一月二十一日と後書にありますように、上人入寂の四ヵ月前のものです。上人の遺言といってもよいかと思います。

上人はこの御文の中で、建立の理由は、生涯を栄花栄耀や花鳥風月の自らの趣味や道楽のためのものでなく、ただ「信心決定の行者の繁昌せしめ、念仏をもうさんともがらも出来あらん」ことを願って建立したと教えられます。まさに浄土真宗の寺院は、聞法の道場としての使命を担う場であります。

2023年には、真宗本廟・本山東本願寺にて、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要が厳修されます。今年も、大阪教区の各御寺院と、各別院、そしてそれぞれにそこにご縁をいただかれている多くのご門徒のみなさまとともに、慶讃法要という大切なご縁に向けて、少しでも親鸞聖人、蓮如上人の願いにかなう歩みを進めてまいりたいと思います。

昨年に引き続き、本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

合掌

禿信敬大阪教務所長・難波別院輪番 禿かむろ 信敬しんきょう


『南御堂』第714号 2022年(令和4)1月1日発行 2面より 「年頭のご挨拶 2022年」