年頭のご挨拶

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情報交換と交流の推進が展望を開く

新しい年をお迎えし謹んで新春のお慶びを申し上げます。

2012年に、宗門の現勢と教化活動の実態を調査し、社会に即した宗門の課題を把握するとともに、その課題に対応するために必要な基礎資料を得ることを目的に「教勢調査」が実施されました。今回の教勢調査から見る宗門の現状について寺林脩統計調査専門員は「法要・行事、同朋の会・お講などの教化組織への参詣人数が減ったと回答した寺院が2000年の調査と比べて大きく増えている」「婦人会・子ども会などを含めた教化組織の結成率、ご命日の集い・お内仏報恩講などの執行率の全国順位が前々回の1992年からあまり動いていない」という点を指摘されました。そこから、「極端な言い方をすると、自分の教区に対する自覚がない。他教区に対する関心がない。宗門も対策を講じてこなかった。自覚と比較、競争のない組織に発展はない」と言われました。

大阪教区においては、現行の教化体制が十分な成果を上げ、新たな人を生み出してきたであろうかという真摯な反省から、教区教化体制の見直しが教区教化体制策定委員会を設置して取り組まれています。案の骨子として、教区教化委員会と組教化委員会の連携を図り、教区の情報が組に伝わり、組の意見・要望が教区に伝わるための機関としての組教化事業推進部の設置、併せて、ブロックを活用した組の教化に関する情報交換と交流の場としてのブロック別連絡協議会の設置が提案されています。他教区・他組、教区・組の情報交換と交流の推進が今後の展望を開く上で大切なことではないかと存じますので、ご理解をご協力をお願い申し上げます。

大阪教務所長・難波別院輪番 宮浦 一郎

(初出:『南御堂』2015年1月号)