おてらの未来ーてらこん?ネットワーク【しゃらりん35号】

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連区の有志坊守でお寺を男女の出会いの場に

昨年2月、近畿連区坊守研修会の座談の中で、「せっかくのお寺の後継者に伴侶が居ない」、そんな話題が持ち上がりました。そして、ご門徒さん宅でも同じような悩みをかかえておられることは、どの地域でも明らかなことでした。「お寺の未来を憂いているばかりでは始まらない! 私たちで出会いの場を提供出来たら!」そんな熱い思いで発足したのが、「てらこん?ネットワーク」です。(以下「てらこんNW」と表記)

自発的に集まった10数名の坊守と女性住職。それは、山陽、長浜、京都、四国、大阪と各教区に有志がもれなく揃う、という嬉しい偶然からスタートしました。しかし、普段から多忙な坊守たちが、互いの距離を超えて連絡を取り合うのは、数年前なら不可能だったかもしれません。この不可能を可能にしたのが、スマートフォンのアプリ「LINE」でした。私たちは、自坊の仕事の合間を利用して、LINEですべての相談と決定をしました。1日のLINEのやり取りが150通近くになることもありました。そして発足からわずか3か月後の5月に、京都・東本願寺前の東光寺さんで、お寺が男女の出会いの場、第1回の「てらこんNW」が開催されました。

寺族の若者を中心に参加者およそ20名。その後毎月開催され、大阪・天満別院さん、山陽・大圓寺さん、京都・東光寺さんを会場に、いずれも40人を超える盛況ぶりでした。日程としては、まずお寺で2時間の自己紹介とお話しタイムをもうけ、その後、レストランなどに移り懇親会です。自然と盛り上がる若い男女の熱気に、世話役の私たちでさえ、高揚感が引き出されるような不思議な感覚に陥ります。てらこんに参加したことで「自分の中の何かが変わった!」という人は多かったようです。それほど人と人との出会いはエネルギーを生み出すものなのですね。

現在、てらこんNWは8回を終え、参加者は、のべ290人を超えています。定員を超えたため参加をお断りした回もあれば、お寺に迎えたい方・入ってもよい方の人数バランスが合わずに中止にした回もあります。「今まで行った他の婚活パーティより、てらこんNWが一番楽しかった!」「坊守さんたち、とても親身にやってくれている」などの嬉しい意見も多く聞けました。とは言え、毎回、参加者を募るのに苦労をしていることも事実です。昨年11月からは、近畿連区の全教区において、チラシの全寺院発送を協力していただけました。チラシ制作費がかさむため、山陽教区からカンパ金、その後、四国教区から助成金も頂戴しました。しかし、チラシを送るだけではだめだということも学びました。今は色々な場でPR活動もしています。

最後になりましたが、今年3月に1組のカップルが結婚成立されました。他にも数組の方々が結婚前提の順調な交際を続けておられます。私たちも自分のことのように嬉しく感じています。引き続き、お寺の未来が明るくなるよう、てらこんNW世話役一同がんばっていこうと思います。

(てらこんNW世話役・上本賀代子さん)