年頭のご挨拶

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御修復完了機縁に信心の生活回復を

謹んで新春のお慶びを申し上げます。minamimido_201701_01_cut

さて、昨年11月20日・21日の真宗本廟両堂等御修復完了奉告法要、引き続き御正忌報恩講には、大阪教区から多数の皆様方のご参拝をいただきました。宗祖の御真影を安置する真宗本廟に全国津々浦々から、また海外からも浄土真宗の伝統に連なる人々が参詣される姿に、真宗大谷派宗門の原形を見た思いがしました。

私たちは真宗本廟に参拝するとき、御影堂の背景にある度重なる焼失を乗り越えて再建を成し遂げてきた数多の人々の思いを感ぜずにはおれません。そこに私にまで届いている本願念仏の歴史の深遠さを実感させられます。同時に参詣された人々と共に念仏の大道を歩ませていただくことの確かさを感じます。

宗門は、本願の伝統と念仏の道を共に歩む人に出遇うことのできる場を形成してきました。歴史の中で具体的には、報恩講・彼岸・お盆という法要、お内仏を中心とした家庭生活、葬儀・法事・月忌という仏事として伝えてきました。今その場が急激に減少、変容してきています。

蓮如上人に深く帰依された妙好人の赤尾の道宗は、「一日のたしなみは、毎朝お内仏に…、一月のたしなみは、お寺に…、一年のたしなみは、本山に参詣し…」と語り、真宗門徒の生活習慣にしたと伝えられています。御修復の基本方針に「信心の生活の回復運動としなければならない」とあることを思う時、あらためて御修復完了を機縁として信心の生活回復に専念しなければならないと思います。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

大阪教務所長・難波別院輪番
宮浦 一郎

『南御堂』第655号 2017年(平成29)1月1日発行 2面より