【告知】御相伝に学ぶ -相承学薗研究発表会- のお知らせ

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来たる2023年9月15日(金)午後3時より、
難波別院 地下研修ホール「講義室」において、
「相伝教学」に関する発表会が開催されます。
(午後6時終了予定)
《本願寺の相伝》について、6名(予定)が違った視点から発表する予定ですので、皆様お誘い合わせてご参加下さい。

そもそも《本願寺の相伝》ですが、その始まりは蓮如上人とされています。
法然上人~親鸞聖人~覚如上人と相承されてきた真宗の法脈を継承された蓮如上人が、
その一流が未来へと断絶することが無いよう、「信心の相続」を願って相承の法式を確立されました。

相伝が誕生したのは、《法脈を断絶させない》ことが目的であり、教団の教学を相伝の考え方に染める意図はありませんでした。
東西分派によって、西本願寺では相伝の法脈は断絶し、東本願寺だけが継承されていたのですが、高倉学寮との軋轢の中、第19世乗如上人が最後の相承師となり、法式は断絶してしまいました。

昭和10年頃、足利演正師らによって、相伝のご信心から展開される教学の講義録「相伝義書」が五箇寺の寺院から発見され、相伝義書を学ぶ「相承学薗」が誕生しました。

足利師がカリフォルニア大学で教鞭を執ることになり、一旦は休止となったものの、昭和50年代に再開されました。
足利師を中心となって相伝義書の解読と翻刻が進められ、本山・東本願寺から『真宗相伝義書』全21巻が出版・公開されたことにより、多くの人が相伝教学を学ぶ事ができるようになりました。「相承学薗」も、大阪・京都・彦根・富山など各地に誕生しています。

相伝の大きな特徴に、《教学と儀式が一体となって展開されている》という事が挙げられます。
相伝の考え方に基づいて確立された法要儀式は現在まで継承されているのですが、相伝教学を学ぶことによって、大谷派の儀式が何を表現するものか、という疑問が解けていくのではないでしょうか。

また、今回の発表会は、2020年5月に開催予定でした大阪教区教化センター教学儀式研究班の公開講座が、新型コロナウイルス感染症が拡まったために中止となりましたが、その講座の代替としても実施いたします。

「江戸時代の古い教学」「法主の御用教学」という先入観に妨げられて、相伝を遠ざける風潮もあるように感じますが、相伝を受け入れるにせよ、批判するにせよ、まずはその内容に触れて頂くことがスタートだと思います。
なので今回の発表会が、相伝に学ぶキッカケとなることを願っています。

発表予定者(順不同)
○ 太田浩史(高岡教区 大福寺)(講題未定)
○ 高原弘志(京都教区 西覺寺)「相伝教学における往相廻向」
○ 浅井仁麿(京都教区 瑞蓮寺)「師資の信道 ~すなわち我が善き親友なり~」
○ 大山彰英(大阪教区 願行寺)「相伝教学に触れる ~相承学薗での学びを通して~」
○ 髙島 章(大阪教区 圓明寺)「教学と儀式 ~還相の化儀~」
○ 池田英二郎(大阪教区 宗恩寺)「本願寺の相伝のあらまし ~信心の伝統~」