20組坊守会 研修旅行(その2)
- 2025年11月15日(土)21:31
ウトロ平和祈念館の次に向かったのは、同じく宇治市内にある、三大禅宗の一つ・黄檗宗の総本山「萬福寺」でした。
萬福寺は、江戸時代初期に中国から渡来された隠元禅師が、徳川四代将軍・家綱の許しを得て開山されたお寺です。
伽藍の配置は左右対称の完全な中国様式で、上空から見ると龍の姿に見えることから「龍の伽藍」とも呼ばれています。昨年には、法堂を含む三つの伽藍が国宝に指定され、大きな話題となりました。
また、隠元禅師といえば──そのお名前から想像される方も多いかもしれませんが、日本に「いんげん豆」をもたらした人物として知られています。
ほかにも、建築技術や音楽、煎茶道、医学など、当時の中国の先進文化を数多く伝えられた方で、椅子とテーブルを用いる生活様式も隠元禅師によって広まったと言われています。



おまちかねの本日のお食事は・・・・「普茶料理」を堪能してきました♫
隠元禅師が日本にもたらしたものの中でも、特に知られているのが「普茶料理」と呼ばれる精進料理です。
油や葛を多く用いた、中国風のしっかりとした味わいが特徴で、肉や魚は使わず、野菜を中心に仕上げられます。
食事は四人で一卓を囲み、大皿に盛られた料理を分け合う「会食」の形式でいただきます。全員が平等に食事を楽しむという精神が大切にされているとのことでした。
皆さんとの会食は、しばし和やかな歓談の時間となりました。報恩講のシーズンで何かと慌ただしい時期ではありますが、同じ話題を共有し、こうして食卓を囲むひとときは、あらためて大切だと感じました。

食後は、同じ宇治市にある「三室戸寺」へ向かいました。
西国三十三所巡礼の第十番札所として、また「アジサイ寺」としても広く知られる名刹です。春の桜やツツジ、そして秋の紅葉も見事で、季節ごとに表情を変える美しいお寺として知られています。
この日も素晴らしい秋晴れに恵まれ、色づき始めた紅葉をゆっくりと楽しむことができました。
京都市内はインバウンドの影響で大変な賑わいですが、少し足を延ばすだけで、こうして静かに参拝し景色を味わえる場所があることに、あらためてありがたさを感じました。



最後に向かったのは、宇治市の中心部で近年話題を集めている「宇治橋通り商店街」です。
通りに足を踏み入れた瞬間、日本語がほとんど聞こえないほどで、思わず驚かされました
というのも、現在は世界的な“抹茶ブーム”が起きており、お茶屋さんに立ち寄ると「本日売切」の札が出ているお店も少なくありません。
以前はここまで賑わう場所ではなかったそうですが、抹茶を扱う店はどこも行列ができるほどで、その人気ぶりを実感しました。
とはいえ、抹茶スイーツのお店も多く増えており、皆さんそれぞれに気になるお店へ立ち寄られ、思い思いのひとときを抹茶スイーツとともに楽しんでいただけたようです。

気がつけば、万歩計は一万歩に届きそうな数字を示していました。
そろそろ足元に疲れを感じ始めた頃、ゆっくりと帰路につくことにいたしました。
今回の研修旅行は、本当に学びの多い一日でした。
実際にその地を訪れ、現地の方々のお話に耳を傾けることでしか得られない気づきが、やはりありますね。
気がつけば今年も残り50日を切りました。
歳を重ねるほどに、月日の流れの早さをいっそう実感いたします。
これから皆さまも何かとお忙しい時期に入られることと思いますが、どうかお身体に気をつけて、元気に新しい年をお迎えいただきたいと願っております。
さて、次はどこへ参りましょうか? (編集・長谷)






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