日本最古の陸軍墓地 ー真田山陸軍墓地ー
- 2024年10月17日(木)23:49
2024年10月4日(金)、戦争展実行委員会はフィールドワークを実施しました。
今回フィールドワークに訪れたのは、大阪市天王寺区玉造にある「真田山陸軍墓地」。
真田山陸軍墓地維持会の𠮷岡武さん、近藤力也さんにガイドしていただきました。
【真田山陸軍墓地】
大阪城の南、真田山丘陵地に、旧陸軍将兵の墓石が整然と並ぶ真田山旧陸軍墓地があります。大阪は日本陸軍創設の地として位置づけられ、明治2年から大阪城を中心に軍関係施設が次々と設けられ、明治4年この地に墓地が創設されて、日本で最初の陸軍墓地となりました。現在の墓地の面積は4,550坪(約15,000平方メートル)を越え、明治6年の徴兵令以前に属する士官・兵士の墓碑にはじまり、西南戦争、日清・日露・第一次世界大戦から第二次世界大戦にいたるまでの5,100基以上の墓碑が並び、8,200余の遺骨を納めた納骨堂を擁しております。また、将校・兵士だけでなく軍事物資の輸送・その他下働きとして雇われた軍役夫や日清戦争や第一次世界大戦で捕虜となった清国兵・ドイツ兵の病死者の墓碑など、当墓地独自の被葬者もみられます。
明治4(1871)年に設置された真田山陸軍墓地は、全国で80ヶ所以上つくられた陸軍墓地の中でも、最古の歴史を持っています。それだけに、納骨堂や墓碑等の傷みが激しく、殊に墓碑は材質のもろさも加わって、その多くが風化や崩壊の危機に直面しています。特に、墓碑の傷みは著しいものになっており、全墓碑のうち、70%近くが何らかの傷みが見受けられ、その内、1000基を超える墓碑がいつ崩壊してもおかしくない状態にあります。
公益財団法人 真田山陸軍墓地維持会 ホームページ

はじめに近藤さんがスクリーンを使ってお話してくださいました。展示室で貴重な資料も見させてもらいました。

破損墓碑群の前で献花させていただきました。

参加者は9名。当日雨が降っていましたが、墓地をガイドしていただく間は一旦やみました。破損した墓碑が多く見られました。

墓碑は階級などによって区画されていました。一つ一つ丁寧にご説明いただき、委員も熱心に耳を傾けていました。

納骨堂(忠霊塔)。劣化による耐震工事中でした。令和7(2025)年完成予定です。

最後に𠮷岡さんが自身の戦争体験を語って下さいました。「今までの戦争の悲劇を知って、平和がどんなに有り難いか考えてほしい」とおっしゃっていました。
8回におよぶ大阪大空襲で、最も多くの犠牲者を出したのが1945年3月13日から14日にかけての第1回大阪大空襲でした。戦争展実行委員会では、第1回大阪大空襲のあった3月に毎年パネル展を開催しています。来年2025年、3月5日(水)~3月26日(水)に開催予定です。今回の「真田山陸軍墓地」のフィールドワークの展示を中心に考えています。