21組 第40回 夏季仏教講座開催! その軌跡④

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2022年7月2日(土)、堺市堺区にあるフェニーチェ堺(旧堺市民会館)で21組主催、第40回夏季仏教講座が開催されました。

21組の38ヶ寺が合同で行う一大イベントであり、関わるスタッフも数十人に及びます。今回は各部署でご尽力いただいた、21組のスタッフにそれぞれの思いを語ってもらい、それを記事にしたいと思います。

最終回は、21組組長で委員長の山雄竜麿さんです。

 


 

振り返れば2019年の秋、私たちは、当組で大切に継続開催されてきた「夏季仏教講座」が、来夏いよいよ第40回を迎えるに当たり、いったいどんなテーマで、どなたを講師としてお迎えするのがふさわしいかと何度も話し合いを持ちました。

やがて、「「煩わしくないから」という理由で家族葬が当たり前となった今こそ、生死(しょうじ=生まれ死んでいくこの我が身の迷い)そのものを問うという基本に帰るべではないか、それには仏教のホスピスとも言われる「ビハーラ運動」の第一人者である田代俊孝先生のお話を聞くしかない」と組内がまとまっていったことです。

会場も、こけら落としが終わったばかりのフェニーチェ堺の大ホールを思い切って借りることになりました。

ところがです。誰も予想だにしなかった新型コロナ感染症の蔓延です。2020年も2021年も、とても開催できる状態ではありませんでした。断腸の思いで田代先生にお電話し、延期をお願いいたしました。

そして、新型コロナ感染症の影響が広がる中、私たちの生活はいよいよ孤立化を深め、世界中が混沌としてきました。思い返せばマスクの買い占め問題から始まり、信じられないことにウクライナでは大勢の方が戦火に苦しむ状況とまでなってしまったのです。

このような中、3年ぶりに夏季仏教講座を開催することを決断し、今一度先生にご出講をお願いいたしました。先生はご快諾いただいた後、混沌とした世情を受け「まことの世界・まことなき世界―「正義」はどこに―」という講題を付けてくださいました。

戦争とは正義のぶつかり合いです。では、正義とは、真実とはどこにあるのか。先生は端的に「真実は私の中にはありません。仏様が差し向けてくださるのです。」

「親鸞聖人はご自身のことを愚禿親鸞とおっしゃっているでしょ。浄土真宗を学ぶほど自分の愚かさが見えてくるのです。真実に照らされて虚仮不実の身であると知らしめられるのですよ。」(趣意)とお話ししてくださいました。

新型コロナ感染症に翻弄され、いよいよ右往左往している私ですが、その根本問題はコロナ以前と何も変わっていないのです。だからこそ、どこまでも自分の中に正義を立てようと、あるいは、あるはずもない真実を立てようとしていないかを、仏法に聞いて行く必要があるのです。それは聖徳太子が歩まれた道であり、また、宗祖親鸞聖人が歩まれた道に他ならないのです。

言葉を変えるならば、新型コロナ感染症によっていよいよ孤立化が進むと感じられる今だからこそ、つまり3年という長い時間を経た今だからこそ聞くことができたお話がそこにはありました。

もちろん、これは私の受け止めです。

幸にして、先生からはアーカイブとして動画配信することのご快諾をいただいています。

どうぞ、皆様お一人お一人がYoutubeのアーカイブで、先生のお話をご聴聞していただきお確かめいただきますことを念じあげます。

(講義前半 https://www.youtube.com/watch?v=oGCD1aqWD6U&t=1s )
(講義後半 https://www.youtube.com/watch?v=R0p1T_dQJlc )

 

さて、最後になりましたが、ご出講いただきました田代俊孝先生をはじめ、当日参加いただきました方、あるいはオンラインで参加いただいきました皆様に心よりお礼申し上げます。

(山雄竜麿)