第四回 第九組人権学習会「発達障がいについて学ぶ」

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令和元年6月21日(金)午後2時より、誓願寺に於いて「人権学習会」が開催されました。

西方寺、日下部ご住職の司会により学習会が始まり「発達障害について学ぶ」のテーマの基、自閉症の息子さんがおられる第21組浄得寺、松井聡ご住職より息子さんとの生活を通して気付いてこられたこと、教えてもらったことをお話ししていただくと紹介されました。

「ひたすら道をききひらき、まことのみ旨いただかん…」と学習会に思いを念じながら真宗宗歌を斉唱しました。

第9組組長誓願寺、渡邉ご住職により人権学習会に多くの皆様にご参集いただいた事にお礼が述べられました。

松井聡ご住職曰く「私には3人の子どもがおり、一番下の男の子が自閉症です。自閉症はコミュニケーションがとれないと思われるが、下手なだけであり全く出来ないわけではありません。原因はよく解からないが、先天的な脳の障害と言われています。千人に1~2人の割合で生まれ5人中4人は男子であり、世界中でも圧倒的に男子が多いと報告されています。」

「自閉症スペクトラムといわれ、症状が虹の境界線のように曖昧でよく分からない。個人差があると言われていて、重度の知的障害があれば殆どない人もおられる。
私たちは読み書き、表現力、認知能力などが平均的であるが、彼らは何かがずば抜けて出来るが他の事は平均以下であるというように、とてもバランスが悪い。昔は職人が一人でもくもくと作業し、人と接する事が苦手という人もいたが、もしかすると自閉症だったのかもしれない。今の時代は平均的でないと、とても生きづらい世の中である。」

「親であれば誰しも我が子には勉強やスポーツも平均より上を望みます。しかし息子を通して平均的でない人間もあるのだと気付かされます。知的障害は身体的な障害と違って外見上分かりにくいが、世の中には沢山おられ頑張って生きておられることを知りました。」

「我が身は健常者であっても我が子や孫が障害を持つかもしれない。又、自分も認知症になったり怪我をして日常生活が困難となり、誰かの世話にならないといけなくなる。この世の中は周りに支えられ見守られながら生かされているのだという事を息子との生活の中で知り、皆さんも共感していただきたい」とお話しされました。

暫し休憩の後、2014年8月16日にNHKが放映した「君が僕の息子について教えてくれたこと」のDVDを鑑賞しました。

重度の自閉症である東田直樹さんが13才の時に著された「自閉症の僕が跳びはねる理由」を英国の小説家デイヴィッド・ミッチェルさんにより英訳出版され、世界的ベストセラーとなりました。
人との会話が困難でうまくコミュニケーションが出来ない自閉症者の心の声を記された本書は、当時者や家族だけではなく、世界中の人々に希望と感動をもたらしました。

東田さん本人は会話の手段としてパソコンや文字盤を使い、困難とされていたコミュニケーションを可能にしました。

熱心にDVDを鑑賞する中に涙をぬぐう方もおられました。

第9組人権推進要員の浄光寺、木田前ご住職より「社会には様々な人がおられるが知らないでは何も出来ません。障害をもつ人の事を知り、理解していこうという気持ちを持つ事が社会を変えていく事ではないか」と話され、終わりの挨拶とされました。

最後に声高らかに「恩徳讃」を斉唱し、今回の「人権学習会」は閉会となりました。