出向く教化・顕明師の事績に学んでみませんか【しゃらりん34号】
- 2019年02月03日(日)6:03
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前年度より教区教化事業として新しく「出向く教化」が始まり、「高木顕明師の事績に学ぶ実行委員会」も第11組・第21組・第9組に出向き人権学習会を開催させていただきました。初めての試みで不手際も多く、ご迷惑をおかけした事も多々あったと思いますが、私たち自身にとっても高木顕明師(以下、顕明師)の事績に学ぶ良い機縁となりました。
顕明師は1910(明治43)年のいわゆる、幸徳秋水を首謀者とする「大逆事件」に連座した真宗大谷派の僧侶でした。実際には「大逆事件」とは無関係で、非戦をとなえ、差別問題に向き合い、社会的な弱者と共に生きようとされた人です。しかし、こうした活動によって顕明師は当時の国家体制に迎合した和歌山県新宮市の仏教会から排除されていきました。代って関わりを深めていったのが、医師で社会主義者との交友関係もあった大石誠之助、キリスト教の牧師・沖野岩三郎たちでした。そして、大石誠之助と幸徳秋水の繋がりから、新宮市だけで大石を含めて6名もの人が「大逆事件」に連座します。この中の一人が顕明師でした。なぜ新宮市から6名もの人が「大逆事件」に連座したのでしょうか? 結局、本人たちもよく分からないまま裁判が進み、6名に死刑、翌日恩赦により4名に対しては無期懲役に減刑されました。顕明師も減刑され無期懲役となりました。
どうして彼らにこの様な判決が出されたのでしょうか? 逮捕者を出したということで、真宗大谷派(以下、宗門)は顕明師の住職としての活動を調査するために新宮市へ一人の僧侶を派遣しています。この調査の報告書の下書きが派遣された僧侶の寺に残っています。ここから浮かび上がる顕明師は真宗の教えを依り処として真摯に門徒と向き合い、社会と向き合い、自身に向き合う僧侶でした。それにもかかわらず、当時の宗門は判決が出たその日に顕明師の僧籍を剥奪し宗門から追放しました……。
さて、「これ以上の詳細は出向く教化で‼」ということになります。組の人権学習会では「大逆事件」の内容からその背景、そして顕明師の事績などを学習します。他に要望があればできる範囲で応えていきたいと思っています。一人でも多くの人と共に学ぶことを願って活動していますので、どうぞよろしくお願いします。
最後に、人権学習会がなぜ必要なのかについて一言。私たちの宗門は「御同朋」と言いながら、どれほど多くの人を切り捨て排除してきたのでしょうか。例えば、顕明師以外にも部落差別・ハンセン病などの問題に目を背けてきた歴史を持っています。後世を生きる私たちがこのような歴史や先人を批判することは簡単です。しかし私たちが人権学習会で学びたいことは歴史批判・先人批判ではなく、目を背けてきた歴史の中に、また先人が残してくださった課題の中に、私たち自身のあり方を見つめ直すことであると思っています。「共に」と言いながらも人を切り捨て排除してしまう私たち自身のあり様を、私たち「高木顕明師の事績に学ぶ実行委員会」と共に今一度見つめ直してみませんか?
(第15組泉勝寺・小松 肇さん)
「是旃陀羅」問題学習会【しゃらりん34号】
- 2019年02月02日(土)12:01
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2018年12月18日(火)教区教化委員会「社会・人権部」主催の人権学習会が開かれた。内容は2017年にも教区として取り組んだ課題でもある「聖教に現れる差別表現について―「是旃陀羅」問題を中心にして―」を講題とし、この度は、広島県部落解放研究所宗教部会事務局長の小武正教先生(本願寺派 西善寺住職)をご講師にお迎えした。
はじめに小武先生は、部落解放研究所が発行している『経典の「旃陀羅」差別を問う』という冊子の「仏教は”対話”の宗教である」という言葉から、「釈尊の言葉は、一方的に発せられた言葉ではなく、目の前に生きる人々との豊かな対話の中から生み出された言葉だ」と紹介された。そして「旃陀羅」問題を問うきっかけは、2012年に三原市で真宗寺院が過去帳を第三者に閲覧させ、それをNHKが放送したことと説明され、その問題を通して差別法名という視点から、自坊である西善寺の過去帳について語られた。
明治5年に被差別部落寺院が廃寺となり、その地域の真宗寺院がそれぞれに門徒を受け入れることとなった。西善寺も12~14軒を受け入れて現在に至っている。そのような中で1997年に西本願寺の法名調査の折、「新民」の文字がある西善寺の過去帳に対して、被差別部落の門徒さんは、住職に「書き換えてもいいですよ」と言われた。そこに大きな課題があった。それは過去帳とは一体誰のものなのか、そこに書かれた法名は一体誰のものなのかということである。今現在の体裁を整える為に「書き換えてもいい」という被差別部落のある門徒さんの了承の言葉だろうが、差別問題は昔どうだったかを問題にしているのではなく、今現在の私の問題として向き合って行かないと、今ここに有るのに、それが見えなくなってしまう。是旃陀羅の問題もまさにその通りであり、「王舎城の悲劇」は教えを伝えるための昔話の架空の物語ではなく、マガタ国において実際にあった出来事であり、それは私たち人間の生身の姿を表している。そういう意味で親鸞聖人はこの観経の課題をとても大切に扱われた。
戦前・戦後にわたって大谷派の融和運動を指導した武内了温師が「旃陀羅こそが救いの正客」だと言われているのは、親鸞聖人の教学がまさに「悪人正機」ということであり、それは「悪人も救われる」ではなく「悪人こそ救われる」ということが親鸞思想そのものであるからだ。
そして小武先生は、大きな「問い」を出された。観経の旃陀羅という文言を今後どうして行くのか。①このままでは「差別文章」となるので「削除」して、別の言葉に変更する。②不読。読まないようにして、親鸞聖人がどう向き合ったかを明らかにして行く。③たとえ差別文章であっても「経典」の言葉をかえることはできない。これら3つの選択肢が提示されて、班別座談会で話し合った。座談会後にそれぞれの班の発表があった。削除するという選択については、反対意見が多く、不読にして、問題と関わり続けるというのが大半の意見だった。
先生は最後にこうしめくくられた。今私たちが考えなければならないことは、悪人の救済という視点を持つ親鸞聖人の教学を持った私たちの教団が本当にそうなっているか。「現実の差別を肯定」し「救済は観念化」に転落していないか。今一度親鸞聖人の教学を点検しなければならないと。
(第17組法觀寺・廣瀬 俊さん)
坊守会との懇談会を開催【しゃらりん34号】
- 2019年02月01日(金)6:29
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大阪教区教化委員会/組教化推進部はこれまで各組教化委員長、組人権推進要員、各祖同朋の会教導の方々との協議会を重ね、今回は教区坊守会のみなさまとの意見交換会となりました。
意見交換会に先立ち、坊守会の事業報告など例会から同席させていただいて驚いたのは、こんなに多岐にわたる活動をされていたのか!ということです。私以外の教区の住職さん方もこれほどの活動内容だとはきっとご存じないのではないでしょうか。
さて例会の後、いよいよ各ブロックに分かれての意見交換会となりました。出てきたご意見は組教化委員長の時と同じく、組によって事情が大きく異なり、盛りだくさんの活動を行っている組もあれば、最低限のことをやるので精一杯の組もあるということでした。坊守会で報恩講をお勤めされていたり歎異抄講座を行ったりしている組もあれば、教区の行事に参加することをもって組の活動に充てている組もあります。
そうした中で共通したのは、組内の役員人事の難しさや、坊守さん同士の世代間の問題。それから研修会の行き先や学習会の内容と講師選定に、どことも苦労しておられる様子でした。前者について組教化推進部は全くお役に立てませんが(笑)、後者については教区教化委員会の新体制が推し進めている「出向く教化」が一助となるはずです。しかし、それが十分に周知されていないことが改めて明らかになりました。今後ともしっかりとアピールしていくことが必要です。また、分かり易い、選びやすい情報提供もこれからの課題です。
各組の活動以外にも、社会情勢やお寺の現状と未来についてなど、坊守視点のさまざまなご意見を聞かせていただけて大変有意義なものでした。坊守のみなさまにおかれても住職経由ではなく、直接教区の情報を入手できたのはよい機会になったのではないかと思います。また、各組の報告を聞いている坊守同士で「それいい、詳しいこと教えて」「いいですよ」という言葉が交わされ、情報交換の場になっていたのもよかったと思います。特に「それから○○でお食事して~」「そこどうやった?」「美味しかったですよ」と、その辺の情報にめっちゃ食いついて盛り上がっておられました(笑)。
そんなこんなであっという間に終わった意見交換会でした。みなさんまだまだ言いたいことは尽きなさそうでしたので、またこのような場を設けてはどうかと後日の組教化推進部の会議で話したことです。
(第27組願隨寺・平野圭晋さん)
初参式のリーフレットを配布しました
- 2019年01月11日(金)23:52
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今年度のポスター配布中!
- 2018年08月19日(日)23:29
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大阪北部地震について
- 2018年06月20日(水)14:56
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このたび2018年6月18日午前7時58分に発生した大阪北部を中心とする地震で被害に遭われたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
真宗大谷派大阪教区の寺院では、主に第7組から第15組にかけて建物の被害が出ており、特に10・11組に大きな被害が発生しています。そして現在も教務所員による被害確認の巡回と併せて、各組長を中心に随時教務所に被害報告をいただいている状況です。
また詳しい状況がわかり次第、銀杏通信でもご報告させていただきます。
茨木別院の被害状況(一部)
折々の華②【しゃらりん33号】
- 2018年06月14日(木)14:19
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夏とお盆の立華
梅雨から夏にかけての季節は、花材がすぐに枯れてしまう、仏華にとっては過酷な季節といえます。しかし造花などに頼ることなく、夏らしいお華を立てたいものです。
盂蘭盆会の立華に特に決まりはありませんが、マキの真が使われることが多いようです。その他、蓮の花や葉、蓮台などを用いるとお盆らしくなりますが、蓮は水揚げが難しく、ほぼ数日で萎れてしまいますので、扱いの難しい花材です。その他、この季節によく見られるのは、ホオヅキやパンパス(西洋ススキ)などで、やはり季節感を大切に立てていただければいいかと思います。
よくどうすればお花の保ちをよくできるのかという質問をいただきます。ちいちの華でもいろいろ試しました。花の延命剤、錆びたクギ、十円玉、洗剤を一滴垂らす……などなど。
結論から言うと、夏の盛りではほとんど効果がありません。わずかに長持ちするだけでした。
結局、必要なのは花瓶の水を腐らせないことです。毎日、中の水を全部入れ替える(たいへんですが)のが、もっともいい方法ではないかと、経験上思っています。
その他、なるべくよく保つ花材を使うことが大切です。緑のものならハランやソテツ、ドラセナ、アレカヤシ、アセビ、ツツジなどが暑さに強いし、色花ならベニバナやルリタマアザミ、スターチス、ピンクッション、クルクマなどが比較的長持ちするようです。
写真は「ハラン一式」で立てたものです。色花を用いていませんので本来の仏華とは言えないかもしれませんが、夏場でもかなり長持ちしますし、見た目も涼しげでよいものです。この形を作って、あいだに色花を挿し、それだけを入れ替えていくということもできます。
3種のハランをあわせて50枚ほど用いています。また見えないところにたくさんのコップ(受け筒)が隠されています。これがないとこのように高くできません。格好よくきれいな形に立てるためには、経験とセンスの必要な難しい仏華です。
ちいちの華 立華 松井 聰/文章 澤田 見
マンガ「真宗仏事研究所②」【しゃらりん33号】
- 2018年06月12日(火)14:26
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獅子吼・天満別院法話の会の動画
- 2018年06月11日(月)9:47
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ちょっと聞いてこ「凡夫について」【しゃらりん33号】
- 2018年06月10日(日)14:13
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凡夫について
新田修巳さん
一昨年から闘病生活を始め小康状態を保ってきた門徒の〇〇さんの容態が、梅雨の時節になった頃から徐々に悪くなりはじめてきました。それから年末も近づき、「もう、あまり長くは生きられないかもしれない」という〇〇さんの言葉が、私のこころに痛くつき刺さってきました。
年が明けて、いつものように月忌参りに寄せていただきました。これまではいつも奥様と二人で、お内仏の前に正座しておられたのですが、この日〇〇さんはベッドに座っていました。「こんなに足がむくんでいるので、正座できないのです。院主さんにお会いできるのも、きっと今日が最後だと思います。何時もお寺で、念仏は阿弥陀の喚び声であり、信心の定まるときに往生もまた定まるのだと聞かせていただいておりました。本当にありがとうございました。それで数日前から最後は笑顔でお別れの御挨拶をさせていただこうとかたく決心しておりましたが、とうとうその日が来てしまいまた。しかし、家族やご縁の深い人々ともう二度と会うことが出来ないのだと思うと居たたまれないほど辛くて……」という言葉と共に深々と頭を下げ嗚咽され、頬に大粒の涙が伝い流れました。私はその時「握手をしましよう」と言って最後のお別れの握手をしました。
それから数日後〇〇さんは亡くなりました。今こうして法事の場に座っておりますと、在りし日の思い出の数々が私の脳裏に浮かんできます。その中でも特に忘れられないのは、〇〇さんとの最後の別れのひと時です。それと同時に、数年前に、寺の同朋会で『歎異抄』をみんなで音読した時のことをとても懐かしく思い出します。「……よくよく案じみれば、天におどり地におどるほどによろこぶべきことを、よろこばぬにて、いよいよ往生は一定とおもいたまうべきなり。よろこぶべきこころをおさえて、よろこばせざるは、煩悩の所為なり。しかるに仏かねてしろしめして、煩悩具足の凡夫とおおせられたることなれば、他力の悲願は、かくのごときのわれらがためなりけりとしられて、いよいよたのもしくおぼゆるなり……」(第九章)との一節を、みんなと一緒に大きな声を出して一生懸命に読んでいた〇〇さんの声が、今も鮮明に、私の耳底に残っています。
そして私たちの全身を根底からゆさぶる「煩悩具足の凡夫」というこの言葉に触発され、今日は特に、生老病死の宿業の身にかけられた阿弥陀の悲願を、今更のごとくひとしお深くこの身にしみじみと体感させられます。
お寺の未来~それぞれの取り組み【しゃらりん33号】
- 2018年06月08日(金)14:04
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名号会~三宅3ヶ寺
共同教化のカタチ
―3ヶ寺寄れば 阿弥陀の智慧―
名号会
お彼岸も済んだ頃、ぽかぽかとした暖かさを感じるはずの季節だが、そんな時期を裏切るように汗ばむほど暑い日となった3月28日。第20組 玉應寺を会処に三宅3ヶ寺の「名号会」が厳修された。その発祥年も分からないほど古くから、松原市三宅地区の3ヶ寺、玉應寺・善長寺・願久寺では、お名号を毎年順番にお迎えし春の法要が営まれている。
午前中その年の当番寺の世話人が、前年のお寺にお名号をお迎えに行く。編集委員 上本がカメラ片手に撮影に行ったが、
「世話人の方は正装に略肩衣。住職さんは黒衣・墨袈裟で、共々に正信偈をお勤めするという、殊のほか厳粛な雰囲気の中、お名号が引き継がれる姿に感動を覚えた」とか。昔はこの名号会の日に、露天商の出店も出たという村祭りさながらの様相だったようだ。現在では当日に出店は出ないものの、その年の当番寺が主催寺となって、後日3ヶ寺合同のお花見が開催されているらしい。
三宅同朋の会
また、三宅3ヶ寺ではこの名号会に留まらず、「三宅同朋の会」として3ヶ寺で同朋の会を結成し、聞法会を持ち回りで開催されている。当然そこには3ヶ寺のご門徒が共々に集い、聞法会ばかりでなくバスツアーなども行われているらしい。まさに地域を基盤とした同朋の会というわけだ。
「未来のお寺」というコーナーに紹介するには、古風な伝統行事に思えるが、「温古知新」古きをたずねて新しきを知るという言葉がある。これまでお寺の教化活動をするということは1ヶ寺が頑張らねば、住職ひとりでなんとか活性化するようにと奮起する姿が思い描かれていたが、他寺と共同で教化活動をするという発想がここ三宅には古くからあった。この共同教化のカタチは未来のお寺像を探るヒントにならないだろうか。それは村社会だからできるのだという声もあるだろうが、都市のお寺と過疎地のお寺が繋がることや、地域を越えて、組を越えて繋がって行くダイナミックな共同教化を考えていきたいものだ。
(第17組法觀寺・廣瀬 俊さん)
花まつり~第27組淨宗寺
淨宗寺は奈良県御所市にあり、過疎の町でもあるこの土地で今年で三回目の花まつりを催すことができました。毎年手探りで、去年からは勤行の後、住職お手製の紙芝居をして、甘茶を掛け、お餅つきをするようにしました。今年は去年より大幅に増え子どもが38人、保護者やお手伝いのご門徒さんも入れて60人程になりました。数年後には市内の小中学校を一貫校にして一校にする計画があるほど過疎の深刻な町にしては本当に多くの参加となり、お手伝いしてくださった方々や、ご好意で子供たちに沢山のお菓子をお供えしてくださった方々に本当に感謝しております。
多くの参加者の背景には、住職の息子が小学三年生で地域のお友達が多く参加してくれたことがあります。私たちもそれを想定して花まつりを始めたところもあります。『子供の頃に「お寺が楽しかった」というイメージを。また楽しいだけではなく手を合わせることの尊さを感じて欲しい。今すぐに何かの結果を求める訳ではなく、何十年先への法灯への種になれば……』そんな思いで始めた花まつりですが、数年後に子供達も成長し、参加が減っていくかもしれません。その時には、子育てや仕事を終えてゆっくり過ごせるようになった大人たちによる花まつりをしたいと思っています。
しかし、前向きな気持ちばかりではありません。この中のどれだけの子供達がこの町に帰ってきてくれるのだろうかと思うと不安に思う気持ちもあります。
(第27組淨宗念寺・畠中晃子さん)
絵本『いらいららっぱ』【しゃらりん33号】
- 2018年06月07日(木)14:34
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新教区教化体制 初年度を振り返って【しゃらりん33号】
- 2018年06月06日(水)13:50
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総合調整局
宮部 渡 局長
新教区教化体制では、企画部会から、総合調整局へと組織が変わり、充て職中心の構成から、現場にたつ各専門部会の幹事が中心に委員会全体を見渡し、事業内容の点検・調整を行っています。
従来の体制と大きく変わったことの一つに、お寺や組に「出向く教化」を旗印として専門部会に「組教化推進部」、「広報・出版部」がコーディネート部門として誕生したことであります。(内容は下部の報告を参照ください)
この効果の一つとして、従来の企画部会・幹事会では、専門部会ごとの事業内容の報告会を中心に進められてきた会議が、総合調整局では、各局員が教化事業全体にテーマ性を持ち共通課題を持って話し合われる機会が増えたことがあげられます。
まだまだ、スタートをきったばかりで、事例は少ないですが、組からの情報が思わぬ新展開のヒントになったりする一方、教区の持つノウハウが、組で講師派遣等で成果を生んだり、発信力をアップさせたり、これがまた専門部会間の横のつながりを生んだり。それらの刺激が今までにない立体的な話し合いが行われる結果を生みました。
それゆえ同時に、今まで表に出にくかった各組の教化委員会の持ち方の違いや、青少幼年活動の有無、門徒さんまで情報が届きにくいなど、問題点も浮き彫りになりつつあり、課題が多いのも事実です。
あせらず、一歩一歩、歩みを進めてまいりたいと思っております。
組教化推進部
山口 知丈 幹事
新教区教化体制のモットーである「現場が主役、つながる教区教化」を実現すべく私たち「組教化推進部」がスタートして、はや一年が経過しつつある。幸いにも、これまで教区や組の中で、様々な場面を通して活躍をしてきた人に、この新設の専門部会の委員に就いていただいた。とはいえ、何しろ初めての試みであり、正直なところ、どのように動き出せばよいのか、暗中模索であった。
まずは、各委員を所属する組の含まれるブロック担当とした。他のブロックを担当しダイナミックな情報交流をとも考えたが、少しでも「組」という現場に、迅速かつ親身に「出向ける」ことを優先し、委員が所属するブロックに割り振った。
次に、組教化委員長懇談会を開催させていただいた。自身が「出向く」より先に、各組長さんにお集まりいただいてしまったわけである。大変心苦しかったが、「主役」となる「現場」の、その立役者となる方々に、一日でも早く挨拶をし、均一なスタートを切らせていただきたかったからだ。以来今日まで、ありがたいことに多くの組に受け入れていただき、ほぼ全部の組に出向かせていただけそうである。「つながる」足がかりは、頂戴した。さあ、これからだ!
広報・出版部
澤田 見 幹事
広報・出版部は今年度から新たにできた専門部会です。この機関誌や教区テーマを広報する広報コーディネート実行委員会、ウェブサイト「銀杏通信」を維持管理するホームページ実行委員会、そして視聴覚伝道実行委員会と出版会議が一緒になっています。多岐にわたる部会ですが、3年間を通して、各実行委員会でできることを模索してきたいと思っています。
まず今年度は、新しい教区テーマを広報するために栞やはなびらを制作し、また新しい試みとして法話を録音したカセットテープのデジタル化などにも取り組みました。
次年度以降は法座などの記念品にしていただけるグッズや、新たな視聴覚教材、そして出版物などを他の専門部会と協力しながら作っていきたいと思っています。
こんな本を作って欲しいなどご要望がありましたら、ぜひお寄せください。
儀式・法要部
新川 隆教 幹事
儀式・法要部には、儀式声明作法講習会、教区声明講習会、得度準備講習会、得度受式後研修会といった別院等を会場とし皆様にご参加いただく講習会と、同朋唱和講習会、子ども同朋唱和講習会のように、ご依頼を受けて出向く講習会があります。
また、寺院儀式相談室は、皆様のご希望に沿う形で即実行する講習会を目指しております。本年度は特に、たくさんのご質問やご依頼をいただき、報恩講諸作法、仏華、装束作法、寺院葬儀についてなど、多岐にわたる講習会を開催させていただきました。これらは、コーディネート部門として広報・出版部からの発信と、組教化推進部の各組からの聞き取りが機能し、教区の方々と繋がっていることを感じます。
しかしながら、新体制の教化委員会が今年度の総括をし、今後の計画を立てていくことについては未だ始まっていないことであり、中・長期的展望を見据えて協議していけるか、ということについては身の引き締まる思いがしております。
研修・講座部
建部 智宏 幹事
今年度より旧行事部の事業が加わりましたが、それぞれの事業自体は引き続いて行われているものでしたので、大きな戸惑いもなくスタートできたように思います。
また、関わってくださる各実行委員の皆さまの中には、新しく参加してくださる方もたくさんおられましたが、今年度より任期が3年となりましたので、焦ることなく交流することができました。
ある委員の方から「既存の事業を単年度でどうこなすのかということに終始しなくていいのはうれしい。私たち委員が事業の願いを理解し、それぞれ意見を出しあい、3年という期間で一つの形にしていくことが出来ればと思う。またそのことによってここにいる私たちが「同朋」であるということを見出していければ」とおっしゃられたのが印象的でした。
来年度に向け、各講座の充実はもちろんのこと、事業に関わってくださる方たちとのさらなる交流を深め、ともに「同朋」の場を考えていければと思います。
社会・人権部
稲垣 洋信 幹事
真宗大谷派では、親鸞聖人の精神をもとに様々な社会問題と差別問題について聞き・学び・語りあう活動をしている。大阪教区においても社会問題・差別問題に関する実行委員会を中心にこれまで各々活動をしてきた。
そして、今年度より各実行委員会における問題の共通点を話しあい、共学していくために、各実行委員会から一人ずつが部員となり「社会・人権部」として活動することとなった。
今年度は、今まで通りの活動を続けながら「社会・人権部」としてどのような話しあいがもたれるべきかを考える一年になったと思う。
今までは各実行委員会を中心に学びを深め企画から実行までを担ってきた。そのために、年間の事業がおおよそ決まっているがゆえに、共通点がありながらもそれぞれが独立し事業を行ってきた。「実行委員会」という場合にはそれで何ら問題はないと言えるが、総合的に取りまとめる「社会・人権部」としては例年どおりというわけにはいかないと思う。
なぜならば、当専門部会の事業は実行委員会の活動から共通の課題を見出し、社会あるいは差別の問題について発信していくことであると思うからである。
青少幼年部
松井 敦 幹事
青少幼年部は新設のため、まだまだどのような活動をしていいのか模索しながら、1年を過ごしたという感じです。
その中でも9歳から13歳までの子どもたちを難波別院報恩講結願日中に出仕するという企画は、子どもたちにとっていい経験をさせることができたと考えます。
また、青少年教化の推進と題して大阪教区の青少年4団体との交流を深め、その活動を全寺院に知ってもらうために年に3回カラー印刷のチラシを発行いたしました。
幼年教化の推進ではこの6月には難波別院本堂において子ども初まいり(初参式)を開催いたします。生まれたての子どもとそのご家族がそろってお参りすることは意味深いことだと考えます。今後の展開といたしましてはこの初参式を各寺院でもできるように執行の手引きの作成を考えています。また初参式に来ていただいたご家族には子ども新聞の発行や、誕生日には誕生日カードをお送りすることなども検討しています。
法話のテープ、CDにします!
- 2018年04月21日(土)10:08
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お寺に眠っている法話のテープなどを、無料でCDにいたします!
視聴覚伝道実行委員会では、みなさまのお寺に眠る法話の録音テープを無料でCD化する事業を始めました。
カセットテープなどのアナログ媒体は年月と共に劣化し、また再生できる機器も少なくなっていきます。そこでこの機会にぜひデジタル化(CD)し、大切な財産として保存されてはいかがでしょうか。
対象:大阪教区内の寺院・教会
対象媒体:カセットテープ・オープンリールテープ・MD・DATなど
手数料:無料
大阪教務所へご持参ください。
注意事項
- 法話の録音に限ります。
- 話されている方のお名前がわかるもの(日時・場所もわかっていればお知らせください)
- 媒体の状態によってはお受けできない場合もございます。
- 万が一、デジタル化の作業の途中に劣化によって媒体が破損しても、責任は持ちません。
- CD以外のデータ形式についてはご相談ください。
- 年度内でお受けする本数には限りがあります。上限に達し次第、締め切らせていただきます。
- 教区ホームページ「銀杏通信」にて公開させていただく場合があります。
大阪教区教化委員会 広報・出版部/視聴覚伝道実行委員会